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男女共存を描いた『マイ・インターン』でロバート・デ・ニーロが受け持つ役目とは?

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男女共存を描いた『マイ・インターン』でロバート・デ・ニーロが受け持つ役目とは?

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『マイ・インターン』あらすじ

ニューヨーク。華やかなファッション業界に身を置き、プライベートも充実しているジュールス。そんな彼女の部下に会社の福祉事業として、シニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールスだが、やがて彼の心のこもった仕事ぶりと的確な助言を頼りにするようになる。そんな時、ジュールスは仕事とプライベートの両方で思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られる──。



 『アイリッシュマン』(19)で主人公、フランク・シーランの若かりし頃を演じるロバート・デ・ニーロに施されたメイクは画期的だ。皮膚の艶は勿論だが、若々しい目の輝きに驚愕するファンは多いだろう。そのために開発されたという”アンチエイジングソフトウェア”に、製作費の多くが費やされたことが報告されている。(製作費のほとんどだという説もある。)つくづく凄い時代が来たものだと思う。


 デ・ニーロは1943年8月17日生まれだから、公開時は76歳。『アイリッシュマン』のレッドカーペットに登場した素顔の彼は、確かに、オールバックの髪は真っ白だが、写真で見る限り、皮膚の艶はまだ50代でもギリギリ通るほど。しかし、監督のマーティン・スコセッシは物語の後半で殺戮と謀略に明け暮れた男の老いを際立たせるために、完璧な若さを求めたのだろう。何しろ、無法者の老境と遅すぎる罪悪感が作品の重要なテーマなのだ。


『アイリッシュマン』予告


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ラブコメの名手、ナンシー・マイヤーズとデ・ニーロの初コラボ



 そんなデ・ニーロから、デジタル処理による若さでも、老けメイクを駆使した老いでもなく、実年齢の輝きを引き出したのが、ラブコメの名手、ナンシー・マイヤーズだ。マイヤーズが『ハート・オブ・ウーマン』(00)、『恋愛適齢期』(03)、『ホリデイ』(06)、『恋するベーカリー』(09)に続いて放ったスマッシュヒット『マイ・インターン』(15)のデ・ニーロをもう一度見直して欲しい。


 彼が演じるベンは、妻を亡くした後、一人暮らしになっても身の回りはきちんと整理し、毎日、正しい食生活を維持しつつ、早朝の公園で太極拳で汗を流す。全然しょぼくれていない御年70歳。見た目も若々しく、上品で、当然、地元ブルックリンでは同世代の独身女性からターゲットにされている。そんな70歳を演じる当時72歳のデ・ニーロが放つ圧巻の艶っぽさが、物語を生き生きと牽引していく。


『マイ・インターン』予告


 労働意欲も全然錆びてないベンは、ある日、ファッション通販会社の”シニア・インターン(ベテラン見習い)”募集に応募し、見事合格。久しぶりにサラリーマン生活に戻ったベンは、早速、息子ほど歳が離れた仕事仲間の恋愛相談に乗ったり、社内を巡回する美人セラピストとちゃっかりいい感じになったりと、人生の経験値を仕事に生かしまくり。その際たるものが、会社の若きCEO、ジュールス(アン・ハサウェイ)のキャリアと家庭の悩みに耳を傾ける受け皿役だ。



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