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リズムを感じろ!『クール・ランニング』が未来に紡いだ偉大な一歩

(c)Photofest / Getty Images

リズムを感じろ!『クール・ランニング』が未来に紡いだ偉大な一歩

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本作が未来に紡いだもの



 映画の上映から時は流れ、2018年平昌冬季オリンピックで世界の注目を集めたのが、ボブスレー女子ジャマイカ代表の2名だ。本作で描かれた1988年男子代表と同じく、彼女たちはジャマイカ女性として初となる冬季オリンピック代表となった。2人が使用するボブスレーにつけた名前は「ミスター・クール・ボルト」。『クール・ランニング』とウサイン・ボルトという、彼女たちの英雄から名づけられた。


 そしてこのボブスレーの競技で注目を集めた別のチームがいる。それは、アフリカのナイジェリア女性代表選手たちだ。ナイジェリアにとって初となる冬季オリンピック出場の夢を、彼女たちは叶えたのだ。彼女たちは『クール・ランニング』で歌われた『ジャマイカン・ボブスレーディング・チャント』の「ジャマイカにはボブスレーチームがある〜♪」の部分を、「ジャマイカとナイジェリアにはボブスレーチームがある〜♪」と替えて歌い、試合前に自らを鼓舞させてオリンピックに挑んだ。



『クール・ランニング』(c)Photofest / Getty Images


 ジャマイカの女性代表選手の一人はこんなことを言っていた。「私たちは『クール・ランニング』の夢に新しい生命を吹き込んだの」。そのジャマイカ女性代表選手たちを支えたスタッフの一人が、『クール・ランニング』のモデルとなった1988年カルガリー冬季オリンピック代表の一人、ダドリー・ストークスである。


 クラシックとなった本作が、ジャマイカのボブスレーチーム…… いや世界中に存在する困難や偏見に立ち向かう人々の夢を紡いでいるのだ。



文:杏レラト<あんずれらと>

雑誌「映画秘宝」(洋泉社)を中心に執筆。著書『ブラックムービー ガイド』(スモール出版)が発売中。



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