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『トラフィック』名撮影監督ピーター・アンドリュースの正体とは!

(c)Photofest / Getty Images

『トラフィック』名撮影監督ピーター・アンドリュースの正体とは!

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他人の作品にもスタッフとして参加! フットワークの軽い名匠たち



 ちなみにソダーバーグは、ベストセラー小説を映画化した大ヒット作『 ハンガー・ゲーム』(2012)にもセカンドユニット監督として参加したことがある。セカンドユニットとは、メインの監督とは別にアクションシーンや群衆シーンなどを撮影する“第二班”と呼ばれる撮影チームのこと。ソダーバーグは撮影に二日間だけ参加し、第二班の監督として民衆が暴動を起こすシーンを撮影した。 


 これは『ハンガー・ゲーム』のゲイリー・ロスが旧知の友人だったことが実現した“お手伝い”だったそうで、ソダーバーグはゲイリー・ロスと撮影監督トム・スターンの撮った映像を事前にチェックし、可能な限り彼らのスタイルを再現しようとした。ソダーバーグ自身が「僕の仕事が成功すればするほど、観客には僕がどこに参加したのかわからないだろうね」と語っているほど、オスカー受賞の名監督がまったくの黒子に徹していたのである。 


『ハンガー・ゲーム』予告


 名のある映画監督が別の監督の作品にスタッフとして参加した他の例として、『 シン・シティ』(2005)で1シーンだけ演出したクエンティン・タランティーノや、逆にロバート・ロドリゲス監督がタランティーノの『 キル・ビルVol.2』(2004)にテーマ曲を提供したケースがある。また『 セルラー』(2004)のデヴィッド・R・エリス監督はロマコメ『 恋人はゴースト』(2005)のセカンドユニット監督としてノークレジットでスタントシーンを演出していた。クリント・イーストウッドは、ジェームズ・C・ストラウス監督の『 さよなら。いつかわかること』(2007)に純粋に音楽担当として参加したことがある。 


 映画監督、というと“ディレクターズチェアーに座って指示を出す偉い人”というイメージがある。しかし大勢の名監督が、フットワークも軽く他人の現場に参加しているだなんて、なんとも夢のある話ではないだろうか。



文: 村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。



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