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『アイアンマン』が、MCU計画第1弾である理由とは

(c) 2008 MVL Film Finance. All Rights Reserved.

『アイアンマン』が、MCU計画第1弾である理由とは

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『アイアンマン』あらすじ

アフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スタークは、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を強制される。トニーは装着することで、圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを敵の目を盗み開発。敵地からの脱出に成功するが、奇跡的に生還したトニーは、ある事実を知り愕然とする・・・。自らが社長を務める会社が開発した兵器がテロ組織に使用されていたのだ。トニーはその償いをすべく、テロ撲滅に命を捧げることを決断。最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。



 マーベル・シネマティック・ユニバース:MCUは10年以上の歳月を掛け、23作の映画をまたぎ、連綿と語り継いできた壮大な物語「インフィニティ・サーガ」を終え、大きな節目を迎えた。しかも、その23作品の全てを興行的にもクオリティ的にも成功させるという、とんでもない偉業も成しえた。


 この壮大かつ奇跡的な計画は、当たり前と言えば当たり前だが、たった1本の映画からスタートしている。その記念すべきMCU最初の作品こそ『アイアンマン』(08)である。



『アイアンマン』(c) 2008 MVL Film Finance. All Rights Reserved.


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“アッセンブル”を可能にするMCU計画



 サム・ライミによる『スパイダーマン』(02)は困難の多い作品であった。撮影中にスタントマンの死亡事故があり、アルカイダによるテロ攻撃“9.11”が起こり、完成していたCGによるニューヨークの街並みから貿易センターのツインタワーを消さなければならなかった。しかし、最大の難点は実際に制作に入る前の、権利関係の取りまとめであっただろう。


 スパイダーマンの映画化権は何社もの間を行き交い、登場キャラクターの権利も離散し、映画化のためには、まずそれらを纏めなければならなかった。この問題をプロデューサーの立場から目の当たりにしたケヴィン・ファイギは「マーベル・スタジオ」主導の映画自社制作にあたり、映画化権の管理を強化していく。目的は「クロスオーバー」である。


『スパイダーマン』予告


 アメコミ世界ではキャラクターたちは同じ世界を共有し活躍している。強大な敵が襲ってくれば、ヒーローたちはタイトルの垣根を超えて共闘し、対立すればスーパーパワーを駆使した激突を繰り広げる。そんなヒーローの共演「クロスオーバー」はコミックの華だ。


 実写映画でもクロスオーバーが実現できれば胸踊る作品になるハズで、その為には各キャラクターの映画化権を方々に売りわたさず、売り渡しても“アッセンブル”(集合)が可能な条項を契約書に明記するなど、計画的な映画制作を進める必要があった。これこそがMCU計画である。



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