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『ゲット・アウト』米コメディ界の異端児は、いかにしてネタバレNGの最恐ホラーを作り上げたか?

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『ゲット・アウト』米コメディ界の異端児は、いかにしてネタバレNGの最恐ホラーを作り上げたか?

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米コメディ界の人気者、ジョーダン・ピールとは?



 このジョーダン・ピールとは一体どんな人物なのか。日本では彼の名前はおろか、相棒のキーガン=マイケル・キーと共に手がけた「 Key and Peele」というコメディ番組もほぼ無名に等しい。同番組のスケッチ(日本でいうコント)の題材は、身の回りの文化、歴史、社会、人種問題など、とにかく盛りだくさん。中でも彼らが生み出した「 Luther(ルーサー)」という作品は、オバマ大統領(になりきったピール)が穏やかに演説する背後で、“怒りの通訳者”ルーサー(キーガンが演じる)が大統領の本心を、目を見開き感情をむき出しにしながら代弁するというもの。これがオバマ大統領の目にも留まり、ホワイトハウス主催の特派員晩餐会で 大統領本人とルーサーがツーショットでステージに立ちパフォーマンスを披露する事態にまで発展した。


Key & Peele - Obama's Anger Translator - Meet Luther - Uncensored


 また、キー&ピールは『 キアヌ』(16・未公開)で映画界にも進出。物語の中心に“キアヌ”という名の可愛らしい子猫を配する動物モノでありながら、コメディとサスペンスとアクションの要素をちりばめた奇想天外な作品だ(ワンシーンだけ、子猫の声をキアヌ・リーヴスが担当)。その中でジョーダン・ピールは主演のみならず、製作と脚本も兼任。この映画からは、彼が単純なコメディの枠内にとどまらず、その境界線を破壊して様々なジャンルを融合させようとする野心が透けて見えてくる。


 この『キアヌ』は Rotten Tomatoesにおいて、批評家の77パーセントからフレッシュの高評価を獲得した。だが、驚くべきはその後、ジョーダン・ピールが単独で挑んだ『ゲット・アウト』だ。彼が脚本のみならず初監督を手がけた本作は、同評価サイトにてなんと 「99パーセント」のフレッシュを獲得!このとんでもない数値を目にしただけでも、彼が何か革命的なことをやらかしたことが如実に伝わってくるではないか。



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