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『エグゼクティブ・デシジョン』黒澤明の遺伝子が息づく独創的ハイジャック映画

(c)Photofest / Getty Images

『エグゼクティブ・デシジョン』黒澤明の遺伝子が息づく独創的ハイジャック映画

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『エグゼクティブ・デシジョン』あらすじ

世界一殺傷能力の高い神経ガスDZ-5を持ったテロリストが、ワシントンD.C.行きのジャンボ機を乗っ取った。この危機を回避するため、陸軍情報部顧問グラントは、トラヴィス中佐の率いる部隊と共にジャンボ機へ空中ドッキング、機内潜入を果たした。しかし輸送機が大破したため、危機対処委員会は特殊部隊の全員が死亡したと思い込む。地上にいる4000万人の命を救うためには、アメリカ空域の手前で400人の乗客ごとジャンボ機を爆破するしかない…。今、史上最悪の大統領決定が下される!!


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脚本の妙と独創性が融合した隠れた名作



 アクション映画に最も重要なのは、派手な爆発やカーチェイス、銃撃戦ではない。「脚本」だ。そんな当たり前な真理の実例を示すのに最も分かりやすい1本が『エグゼクティブ・デシジョン』(96)だろう。


 しかし本作は内容の充実度に比して、その評価は不当に低い。1996年公開時にはマイケル・ベイ監督のド派手なアクション大作『ザ・ロック』(96)が話題となっており、その陰に霞んでしまった感もあった。


 アメリカの映画批評サイト、「ロッテントマト」では満足度64%で批評家からの評価もあまり高くない。しかし、同サイトには「批評家の合意」としてこんなコメントも掲げられている。「本作は、クラシックなアクションスリラーの型をたっぷりと取り入れており、ジャンルに囚われず、独創性を確実に発揮している。それは評価ポイントを獲得する必要がないことの証明だ」



『エグゼクティブ・デシジョン』(c)1996 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


 「クラシックなアクションスリラー」とは何だろう。それは先述した「脚本」で描き出すサスペンスと心理描写の妙だ。そして脚本の妙と「独創性」が融合したことで、製作から四半世紀が経とうとする今見ても、『エグゼクティブ・デシジョン』の面白さは色褪せていない。



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