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カルト映画の最高峰『ピンク・フラミンゴ』がフィルムに刻む、崇高なるお下劣さ

(c)Photofest / Getty Images

カルト映画の最高峰『ピンク・フラミンゴ』がフィルムに刻む、崇高なるお下劣さ

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チョビ髭怪人、ウォーターズの軌跡



 『ピンク・フラミンゴ』は、チョビ髭の怪人ジョン・ウォーターズが1972年に故郷のボルティモアで撮ったカルト映画の傑作である。


 そこそこ裕福な中流家庭に生まれたウォーターズは、若かりし頃からウィリアム・キャッスルやアンディ・ウォーホール、ゴダール、ラス・メイヤーなど数々の映画作家の作品の虜となり、17歳の誕生日に祖母が8ミリカメラを贈ってくれたのを機に「映画監督になる!」という夢を加速させる。


 その後、カトリック系の高校を卒業し、ボルティモア大学を経て、名門ニューヨーク大学の映画学科へ入学。しかし、ほとんど授業には出席しないうちに、マリファナ吸引が問題となって退学処分を食らってしまい、故郷のボルティモアへと逆戻り。


 映画監督への夢は潰えたかに見えた。だが、ウォーターズは決してこのままでは屈しなかった。彼はむしろこの状況を楽しむかのように、地元の仲間たちと徒党を組んで、自作のゲリラ撮影に奔走。そうして生まれた異彩を放つ作品群の中でも、ひときわ突然変異を極めたのが『ピンク・フラミンゴ』だ。


 ヒッピー・カルチャーが世に咲き乱れていた時代、彼らは世間とは全く異なる形で、奔放な創造性を思いっきり逆噴射させたのである。



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