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『真夏の夜のジャズ』気鋭のフォトグラファーが撮りきった、伝説のジャズフェス。

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『真夏の夜のジャズ』気鋭のフォトグラファーが撮りきった、伝説のジャズフェス。

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『真夏の夜のジャズ』あらすじ

アメリカ・ジャズ界最大の音楽フェスティバル「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」を捉えたドキュメンタリー。ルイ・アームストロング(サッチモ)、セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、チャック・ベリー…伝説のミュージシャンたちが魅せる圧倒的迫力のパフォーマンスと、それを楽しむおしゃれな観客たちの姿をカメラに収めた当時新進気鋭の写真家として有名だったバート・スターン。まるで場面のひとつひとつが完成された1枚の写真のような、不思議な魅力に溢れた“熱い”作品。


Index


コンサート映画の流れを変えた画期的な作品



 近年、さまざまな過去の名作が4K版としてよみがえっているが、ジャズ映画の傑作、『真夏の夜のジャズ』(59)もデジタル修復された4K版が公開された。


 1958年のニューポート・ジャズフェスティバルの様子をとらえた作品で、ルイ・アームストロングやセロニアス・モンクといったジャズ界の巨人たちが参加。後に作られたロック系コンサート映画にも大きな影響を与えてきた。


 イギリスのロック・マガジン、NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)が80年代に作ったロック映画のガイドブック、「NME Guide to Rock Cinema」(フレッド・デラー著、ハムリン・ペーパーバックス刊)には、『真夏の夜のジャズ』に関してこんな記述がある――「忘れがたい重要なドキュメンタリー。その後の『モンタレー・ポップ』(68)や『ウッドストック』(70)といったコンサート映画の先駆けとなった」。


『真夏の夜のジャズ』予告


 『モンタレー・ポップ』(68、D・A・ペネベイカー監督)は67年にアメリカのモンタレーで行われたロック・フェスティバルを記録した映画。一方、『ウッドストック』(70、マイケル・ウォドレー監督)は69年にニューヨーク郊外のウッドストックで行われた画期的なコンサートのドキュメンタリー。反戦運動や公民権運動が盛り上がった60年代後半以降、こうした自由なスタイルのコンサート映画が増え、70年代後半にはマーティン・スコセッシ監督の『ラスト・ワルツ』(78)のような歴史的な傑作も誕生した。


 そんなコンサート映画の原点となったのが『真夏の夜のジャズ』だった。50年代のアメリカ映画界では、ハリウッドのスタジオ映画が圧倒的な力を持っていた(ちなみに59年度のオスカー受賞作は超大作の『ベン・ハー』)。当時のそんな映画の流れとは異なり、『真夜の夜のジャズ』はささやかな予算ながらも、作り手の自由な感覚が生かされていて、後の映画を変える創造の芽がひそんでいた。



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