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『キングスマン』軽妙洒脱なチャラさを取り戻した、新しいスパイ映画

(c) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC. All rights reserved.

『キングスマン』軽妙洒脱なチャラさを取り戻した、新しいスパイ映画

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『キングスマン』あらすじ

ロンドンのサヴィル・ロウにある高級テーラー店“キングスマン”の実体は、どこの国にも属さない世界最強のスパイ機関だった!17年前に父を亡くし、無職のままロンドンで母と暮らすエグジー。彼の前にある日、ブリティッシュ・スーツに身を包んだハリーと名乗る紳士が現れる。高級テーラー「キングスマン」の仕立て職人であるハリー、だがその裏の顔は秘密裏に活動する国際諜報機関「キングスマン」のエリートスパイだった。かつて同僚だったエグジーの父に命を救われたハリーは、エグジーを「キングスマン」の新人候補としてスカウトする。エグジーがライバルたちと新スパイの座をかけた熾烈な競争を繰り広げる一方、ハリーは世界規模の人類抹殺計画を企てるIT富豪ヴァレンタインの行方を追っていたが・・・。



 「国際スパイ・アクション」


 この字面に、どんな映画を想像するだろうか?


 多くの人々が思い浮かべるのはダニエル・クレイグが渋くキメる近年の007だろう。もしくはトム・クルーズが身体を張ったアクションを披露する「M:I」シリーズか。となれば『アトミック・ブロンド』(17)もカウントしたいし『ボーン・アイデンティティ』(02)も忘れがたい。


 しかし、クレイグ:ボンドは重過ぎるし、トム:イーサンは毎度々々切羽詰まり過ぎだ。全身アザだらけで登場するシャーリーズ・セロンは切実で痛々しいし、ジェイソン・ボーンの「人体実験」という出自は悲しいし恐ろし過ぎる。もっと、余裕のある大人が、鼻歌まじりに世界を救うような、そんな「国際スパイ・アクション」があっても良いんじゃないだろうか?


 というよりも、ある一定の年代の人々にとって「国際スパイ・アクション」とは余裕のある大人が鼻歌まじりに世界を救うものだったのだ。


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『キングスマン』登場!



 ゴロツキとのケンカで実刑がほぼ確定した若者エグジーを救った謎の紳士ハリー。彼は国家に所属しないフリーの国際秘密エージェント集団「キングスマン」のメンバーで、エグジーの亡き父親にはひとかたならぬ恩義があったことと、加えてエグジーの身体能力の高さに目をつけ「キングスマン」へのスカウトに来たのだった。将来も見えないし行くあても無いエグジーは誘われるがまま、他の候補生らと共に厳しい新人選考会に挑むのだった。


 一方、IT業界で富を築いたヴァレンタインは地球環境の危機を憂い、人類大抹殺計画を進めていた。そんな不穏な動きを察知したキングスマンは、ハリーを抹殺計画のテスト会場の教会へ送り込むのだが、すでに察知していたヴァレンタインの凶弾に倒れてしまう……。


『キングスマン』予告


 このスーパー・スパイの誕生編とも言える物語を映像化した監督は『キック・アス』(10)や『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(11)等、スーパーヒーローの誕生編で名を上げたマシュー・ボーン。共同脚本にマシュー・ボーンと多くのタッグを組み続けているジェーン・ゴールドマン。原作とプロデュースには『キック・アス』コミック原作を担当したマーク・ミラーと、映画『キック・アス』を成功に導いたトリオの再タッグとなる。


 主役エグジーを演じるのは、本作が初主演となるタロン・エガートン。ハリーには名優コリン・ファース。その他マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソン、マイケル・ケインにマーク・ハミルまで引っ張り出した豪華な布陣である。


 これら一級のスタッフ、一流のキャストで作られた大スペクタクル・スパイ・アクション映画には裏テーマとも呼べる、ある想いが込められている。



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