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『ゴーストバスターズ』初期段階で想定されていた、幻のメンバーとは一体誰?

(c)1984 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴーストバスターズ』初期段階で想定されていた、幻のメンバーとは一体誰?

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緑色オバケのモデルは故ジョン・ベルーシって本当?



 ちなみに、この『ゴーストバスターズ』には、故ジョン・ベルーシがちゃっかり登場を果たしていることをご存知だろうか。実は、バスターズが初出動する際に対決する緑色のオバケ(オニオン・ヘッドとも、スライマーとも呼ばれる)のモデルは、なんとベルーシなのだそう。大食漢でパーティー好き。動くたびに何かを倒したり、ぶっ壊したりする彼の生前の人柄が、そのままこのキャラに投影されているのだとか。



『ゴーストバスターズ』(c)1984 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.


 当のベルーシにしてみれば、死してなおカメラの前に担ぎ出されたこととなるが、結果的に3人のメンバーの初仕事によってベルーシ=スライマーが捕獲装置の底に消えていく様は、何かコメディ界において一つの時代が終わり、新たな時代が幕を開けた瞬間を象徴していたようにも思える。これまでベルーシが後輩たちを率いていた立場をこれからは彼ら3人が担っていく。そんなたすきを渡すシーンのようにも見えてくるではないか。


 現に、大ヒットどころか社会現象すら巻き起こした『ゴーストバスターズ』は、『ブルース・ブラザーズ』とは違った形でコメディ俳優たちのポテンシャルを極限まで引き出し、エンタテインメント業界における彼らの地位を飛躍的に上昇させた。また、本作を超えて1984年の年間興行成績NO.1を奪取したのが、エディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ』だったことも時代を色濃く象徴している(エディにとってみれば『ゴースタバスターズ』を蹴ってこちらの出演を決めたことが大当たりだったのだ)。


 このワン・ツー・トップの興収記録が、3位の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』、4位の『グレムリン』に大きく水をあけていることからも、80年代というものがいかに芸達者なコメディ俳優(もっと直接的に言うと、サタデーナイトライブ出身のコメディアン)たちを中心に回っていた時代なのかが深く納得できる。彼らの瞬発力や話芸、そして予測不能な抱腹絶倒の芝居は、84年の時点で、かくもスピルバーグ作品をはるかに超えるほどの絶大な人気を誇っていたのである。



文: 牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンⅡ』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。



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『ゴーストバスターズ』 発売中

Blu-ray 2,381円(税別)/ DVD 1,410円(税別)

発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

(c)1984 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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