1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
  4. 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマンが切り開いた「演技×特殊メイク」のハイブリッドな役づくり
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマンが切り開いた「演技×特殊メイク」のハイブリッドな役づくり

(c) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマンが切り開いた「演技×特殊メイク」のハイブリッドな役づくり

PAGES


チャーチルの中に見出された爆発的エネルギーやユーモア感覚



 それでは『ウィンストン・チャーチル』ではどんな役づくりが行われたのか。結論から言うと、今見てきたポイントの全てがここでは網羅されていると言っていい。つまりゲイリー流役づくりの総決算だ。


 だが、この英国で最も偉大な政治家、英国の運命を変えた男を演じるとなると、名優でも苦悩にさらされるもの。まずもってオファーが来た時、彼は最初、この話を一旦は断ろうとも考えたようだ。なぜならチャーチルはすでに他の高名な俳優たちによって演じ尽くされ、もはや自分が新たな境地を切り開く余地など残されていないと考えたから。しかし、ジャーナリストでもあったチャーチルが遺した膨大な著作を読み、さらに議会での演説にとどまらない多くの記録映像に触れるにつれ、徐々にゲイリーの意識は変わり始める。



『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(c) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.


 そこにはこれまで全く預かり知らなかった、爆発的なエネルギーに満ち溢れ、さらには家庭人としての愛らしさやユーモアに満ちたチャーチルがいた。それに本作は、チャーチルの人生を俯瞰する伝記映画とは全く異なり、たった27日間に焦点をあてるという、極めてユニークな試みがなされている。これならば自分が挑戦する意味があるかもしれない。こうして彼は覚悟を定め、幾つかの「条件付き」でこの映画に飛び込むことを承諾するのである。


PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
  4. 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマンが切り開いた「演技×特殊メイク」のハイブリッドな役づくり