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【ネタバレ無し!】『レディ・プレイヤー1』71歳のスピルバーグが牽引してきた世界最先端のバーチャル・プロダクション

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【ネタバレ無し!】『レディ・プレイヤー1』71歳のスピルバーグが牽引してきた世界最先端のバーチャル・プロダクション

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『レディ・プレイヤー1』への布石ーー『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』



 スピルバーグがこうしたバーチャル・プロダクションによる作品づくりに最初に取り組んだのは、2011年製作の『 タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』にさかのぼる。


 ベルギーの人気コミックシリーズ「 タンタン」を基とするこの作品は、スピルバーグが30年以上、映画化を温存してきた企画だ。1981年の『 レイダース/失われたアーク《聖櫃》』公開時、フランスの批評に「タンタン」との類似を指摘されたスピルバーグは同作の存在を知り、その虜となったことが全ての始まりである。しかし原作者エルジェのアートワークを尊重するあまり、これを俳優に特殊メイクを施した実写で撮るべきなのか、あるいはコミックのタッチをそのまま置換した2Dアニメーションで製作するべきかに悩み、機会を見失ったまま歳月を経てしまったのだ。


『 タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』予告


 そんな停滞の突破口となったのは、映画『 ロード・オブ・ザ・リング』三部作(01~03)の存在である。同作にはモーションキャプチャーをベースに作ったクリーチャー「ゴラム」が登場し、CGアニメーションと俳優のパフォーマンスとを融合させたデジタル・キャラクターにひとつの成果をもたらした。


 そこでスピルバーグは三部作の監督ピーター・ジャクソンに接触を図り、そのテクノロジーを確立させたWETAデジタルの協力のもと、「タンタン」をモーションキャプチャーとバーチャル・プロダクションを用いたCGアニメーションとして仕上げることに踏み切ったのである。結果、同作はコミカルな絵柄を保ちつつもフォトリアル(実写的)な、またフォトリアルでありながらもカメラワークに制限のない、自由なレイアウトをスピルバーグの映画にもたらしている。



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