1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. (500)日のサマー
  4. 『(500)日のサマー』ブルーは恋と幸せ。セリフ以上にテーマを示す、映画における「色」の意味とは
『(500)日のサマー』ブルーは恋と幸せ。セリフ以上にテーマを示す、映画における「色」の意味とは

(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『(500)日のサマー』ブルーは恋と幸せ。セリフ以上にテーマを示す、映画における「色」の意味とは

PAGES


主演ズーイー・デシャネルの瞳で作品のカラーも決定



 『(500)日のサマ—』も色が意識された作品だ。マーク・ウェブの長編監督デビュー作である『(500)日のサマ—』は、主人公トムと、彼が一目惚れしたサマーの500日が描かれる典型的なボーイ・ミーツ・ガール物語だが、この映画、構成が大胆で魅力的。「○日目」という時系列がバラバラにシャッフルされ、二人の恋の運命が行きつ戻りつして展開していく。一見、無作為な時制の順番のようで、つながりが絶妙だったりして、恋の急展開に観ている側もハラハラしてしまうのは、作り手側の計算どおりか。そんな構成の妙や、全編に詰まった音楽ネタが『(500)日のサマ—』を語るうえでのポイントだが、密かなこだわりもある。キーとなる色の存在、「ブルー」だ。 


 多くのシーンにブルーのアイテムを配置するアイデアは、サマ—役、ズーイー・デシャネルの瞳がブルーだったことで導きだされた。もちろんサマー=夏のイメージも要因だったはず。


 まず目につくのはサマーのファッション。基本的にワンピースはブルー系だ。トムとのキスシーンでは水色のワンピース。知人の結婚式にはレトロなベイビーブルー(明るい灰色に近い青)のオーガンジードレス。ホームパーティでは大きな青い花柄のワンピース……といった具合。白いブラウスの時もカチューシャはスカイブルー。セーターと髪のリボンをネイビーで合わせていたりする。少女時代のサマーもファッションは基本、ブルー系だ。ファッション以外では、サマーの部屋にセザンヌの名画「青い花瓶」が飾られていたりする。



PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. (500)日のサマー
  4. 『(500)日のサマー』ブルーは恋と幸せ。セリフ以上にテーマを示す、映画における「色」の意味とは