1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ロボコップ
  4. 『ロボコップ』を大成功へ導いた影の立役者、製作総指揮ジョン・デイビソン情熱のエピソード
『ロボコップ』を大成功へ導いた影の立役者、製作総指揮ジョン・デイビソン情熱のエピソード

© Photofest / Getty Images

『ロボコップ』を大成功へ導いた影の立役者、製作総指揮ジョン・デイビソン情熱のエピソード

PAGES


『ロボコップ』あらすじ

犯罪と野望のうごめく近未来のデトロイト。警備ロボットの実験に失敗したオムニ社は次に人間の頭脳を利用したサイボーグ警官を提案。そして殉職した新任警官のマーフィを、人間の頭脳とチタン合金のボディを持つ「ロボコップ」として甦らせた。圧倒的なパワーで活躍を見せるロボコップだったが、次第に消されたはずのマーフィの記憶が甦り……。


Index


『ブレードランナー』がなかったら『ロボコップ』は生まれなかった!?



  1987年6月に全米で公開された『ロボコップ』。映画を観ていなくてもどこかで聴いたことのある有名な”ロボコップのマーチ”を作曲したベイジル・ポールドゥリスの劇伴が予告編作成時に間に合わず、『ターミネーター』(84)と同じ配給元のオライオン・ピクチャーズはブラッド・フィーデルの曲を拝借。『ロボコップ』の予告編で使用されるという前代未聞の出来事があった。その予告編ではロボコップの登場シーンでターミネーターの曲が長尺で流れることから、バイオレンスな映画と連想されたのは良しとするも、同じサイボーグというだけで安易な曲の使い方から、コメディなのかと笑いが起きてしまう事態が米国の劇場であったと言う。


『ロボコップ』予告


 オライオン・ピクチャーズの重役連中は、『ロボコップ』のプロデューサーを務めたジョン・デイビソンの熱意タップリな意見も中々聞かず、結果的に宣伝費含めて1300万ドルの予算しか捻出しなかった。今の日本円に換算すると14億円程度で『ロボコップ』は作られた。つまり超が付くほどの低予算である。それもそのはず、ロボットと警官が組み合わさった作品は 子ども向けにしか思えず、オランダで活躍中ではあったが米国での実績がゼロのポール・ヴァーホーヴェン監督に、オライオン・ピクチャーズの幹部たちはそこま で未来を感じていなかったのだから……。


『ブレードランナー』予告


 そもそも『ロボコップ』の原作者であり脚本を担当したエド・ニューマイヤーは、当時、映画界からもSFファンからもあまり評価されていなかった『ブレードランナー』(82)を、ロードショーされる以前から熱狂的に好んでおり、中でもアンドロイドのレプリカントに興味を惹かれていた。劇中のレプリカント vs 人間の図式にヒントを得て『ロボコップ』の草案を徐々に構築していくのだが、1981年に『ブレードランナー』の撮影現場でレプリカントの存在を目の当たりにしていなかったら、この世に『ロボコップ』は存在していなかったわけで、リドリー・スコット監督の偉大さがより際立つエピソードである。


PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ロボコップ
  4. 『ロボコップ』を大成功へ導いた影の立役者、製作総指揮ジョン・デイビソン情熱のエピソード