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今や世界的ヒットメーカー!ジェームズ・ワンの出世作『ソウ』はこうして生まれた!

(c)Photofest / Getty Images

今や世界的ヒットメーカー!ジェームズ・ワンの出世作『ソウ』はこうして生まれた!

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オーストラリアで生まれた低予算企画がハリウッドで開花



 中国系の血を引くワン監督はマレーシア生まれで、幼い頃にオーストラリアに移住。映画に夢中になり、ロイヤルメルボルン工科大学で映画製作を学ぶ。そこで出会ったのが、後に映画界での盟友となるリー・ワネル。『π』(98)や『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)などの低予算のインディーズ・フィルムに刺激を受けた彼らは、ふたりの役者と密室だけで物語を展開させるアイデアを思いつく。これならば低予算で撮ることができる。


 その後、登場人物のふたりは命を懸けたゲームを強いられ、その糸をジグソウが引いている……という物語の基本ラインを完成させる。ちなみに、ジグソウが脳腫瘍を患っているという設定はワネルのアイデア。当時、片頭痛に悩まされていた彼は、MRI検査のために訪れた病院で着想を得たという。



『ソウ』(c)Photofest / Getty Images


 しかし無名の若者たちの企画を受け入れてくれる映画会社は、本国オーストラリアには存在しなかった。そこでワンとワネルはハリウッドに飛び、売り込みを開始。感触は悪くなかったが、決め手もなかった。“まず短編を作れ”というアドバイスを受け、ワンはワネルを主演に起用して、プレゼン用の短編を撮った。


 現在では『ソウ0.5』というタイトルで知られているこの短編映画は、ジグソウの罠に落ちた青年が、アゴ粉砕機から生き延びるまでを描いたもの。これがハリウッドで評判となり、企画にゴーサインが出たばかりか、ワンの監督、ワネルの主演という無名のフィルムメーカーには願ってもいない条件を手に入れる。最終的な製作費120万ドルはハリウッドでは低予算だが、彼らにとっては大金だ。なにしろふたりは当初、3万ドルで作ろうとしていたのだから。



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