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『ミッション:インポッシブル』の功績は誰のもの? プロデューサーと監督からみるM:Iシリーズ※注!ネタバレ含みます。

(C) 1996, 2018 Paramount Pictures. MISSION: IMPOSSIBLE(TM) IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

『ミッション:インポッシブル』の功績は誰のもの? プロデューサーと監督からみるM:Iシリーズ※注!ネタバレ含みます。

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トム・クルーズのプロデュース能力



 デ・パルマらしい映画的ケレン味と従来のファンを驚かせる展開で『ミッション:インポッシブル』は大成功を納める。トム・クルーズは本作以降『アイズ・ワイド・シャット』(99)でキューブリックの遺作へ滑り込み主演を果たし、さらに今ではアカデミー賞常連監督であるポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』(99)に出演するなど、見事な“セルフ・プロデュース”能力を見せつける。


 一方、デ・パルマはこの後『スネーク・アイズ』(98)で、またもや思いっきり趣味に走って観客を置いてきぼりにし、続く『ミッション・トゥ・マーズ』(00)で宇宙SFに手を出すと、またまたひっちゃかめっちゃかな作品を作りあげ評判を落とすことになる。


 この明暗を分けたのは、もちろん「トム・クルーズの存在」だ。トム・クルーズは『ミッション:インポッシブル』で「デ・パルマ風味」という、ある種の“劇薬”を一般受けギリギリの線まで投入しつつ暴走はさせずにコントロールするという、本業プロデューサーでもままならない仕事をやってのけていたのだ。一方、デ・パルマは自身の“毒性”をコントロール出来ず、多くの観客を突き放し続けてしまったことになる。


 さらにトム・クルーズはシリーズ2作目で「ジョン・ウー風味」というまたもや“劇薬”を、今度はやや多めに投入してしまい、評価を下げてしまうことになる。すると、6年のブランクを空けて“毒抜き”を施し、今度は“医薬部外品”とでもいう持ち味の「J・J・エイブラムス風味」で観客を取り戻す。この凄まじいバランス感覚こそ「トム・クルーズの存在」である。



『ミッション:インポッシブル』(C) 1996, 2018 Paramount Pictures. MISSION: IMPOSSIBLE(TM) IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.


 では、映画『ミッション:インポッシブル』の功績は誰のものか?1作目はブライアン・デ・パルマの類稀なるセンスから生まれた、デ・パルマのものであるが、1作目も含めた「シリーズ」全体は、「トム・クルーズの存在」故に成功し続けたことを鑑みても、トム・クルーズのものだと言えるだろう。


 ただし、例によって本記事がトム・クルーズ本人、もしくは周辺スタッフに否定され、あるいは間違いを指摘されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。


なお、この記事は自動的に消滅する。 いつか……



文: 侍功夫

本業デザイナー、兼業映画ライター。日本でのインド映画高揚に尽力中。



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作品情報を見る




『ミッション:インポッシブル』

4K ULTRA HD + Blu-rayセット: 5,990円+税

Blu-ray: 2,381 円+税/DVD: 1,429 円+税  

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

(C) 1996, 2018 Paramount Pictures. MISSION: IMPOSSIBLE(TM) IS A TRADEMARK OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

※ 2019年8月の情報です。

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