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狂気は終わらない!ゴッサム・シティ犯罪者ガイド2【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.33】

狂気は終わらない!ゴッサム・シティ犯罪者ガイド2【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.33】

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リドラー / ジェントルマン・ゴースト / クレイフェイス





・リドラー

 バットマンに謎解きで挑戦するリドラーのオリジンは、パズルの天才エドワード・二グマ。ファーストネームだけ縮めると、E・二グマで、エニグマになるという、前回のカレンダーマン同様に出来すぎた本名。最大の目的はバットマン及び警察との知恵比べであり、犯行現場にはわざわざ手掛かりに繋がる謎を残し、自分の仕掛けた謎解きにバットマンが苦戦する様子を楽しむ。緑色の衣装に身を包み、クエスチョン・マークのついた帽子や目元を覆うドミノ・マスクが特徴で、クエスチョン・マークは彼のトレードマークである。


 60年代TVシリーズではフランク・ゴーシンとジョン・アスティン(「アダムスのお化け一家」のゴメス・アダムスでお馴染み)が、映画『バットマン フォーエバー』ではジム・キャリーがトゥーフェイスとコンビを組むハイテンションなリドラーを演じ、最近ではドラマ「ゴッサム」におけるコーリー・マイケル・スミスのルックが定着しつつある。


 『バットマン フォーエバー』ではウェイン社の電子工学部門で働いていたが、視聴者の脳に直接映像を送り込む脳波テレビのアイデアをブルース・ウェインに却下されたことで逆恨みし、会社を辞めて怪人リドラーとなる。トゥーフェイスと手を組んで強盗により大金を得ると、脳波テレビを量産してさらに大儲け。ゴッサム中の視聴者が脳波で映像を受け取る中、逆にリドラーは彼らの頭の中を覗き込むことが可能になり、それによって膨大な情報と知識を自分の頭の中に受信し続け、知の怪物への変貌していく。その過程で彼はブルース・ウェインの秘密にも辿り着き、ウェイン邸の地下にあるバット・ケイブを襲撃してバットマンを追い詰めるのだった。夜空に浮かんだバット・シグナルの上に緑色の光線で曲線を描き足して「?」マークを完成させるシーンが結構好きだ。


・ジェントルマン・ゴースト

 その名の通り紳士の幽霊。燕尾服にシルクハット、モノクルをつけているが、顔が透明で帽子と片眼鏡は宙に浮かんでいる状態。元は19世紀イギリスで活動していたジェームズ・クラドックという悪党だったが、今では亡霊として現世を彷徨い続けている。確かにバットマンの悪役は多種多様な連中がいるが、その中でも非常に超自然的な存在である。というか幽霊である。ゴッサムにとってほとんど異物のようなキャラクターだが、それもそのはず、もともと彼はバットマンだけでなくそのほかのDCヒーローの敵でもあり、特にホークマンやホークガールと対決するヴィランなのである。


 幽霊なので物体を通り抜けることも、瞬間的に移動することも可能。彼に通り抜けられると人は寒気を感じるといったゴーストお決まりの特徴をひと通り備えている。姿を見えなくすることもできるが、顔がつねに透明になっているのは腐った顔を隠すためとも言われている。幽霊の悪党というストレートさが、他作品にまたがっているキャラクターとはいえ、思い切っていておもしろい。


・クレイフェイス

 粘土のような身体で自由自在な変身能力を持つクレイフェイスの起源は、落ちぶれた怪奇役者ベイジル・カルロである。彼はかつてヒットした主演作の新作に続投できなかったことに腹を立て、自分の演じた怪物クレイフェイスとなってスタッフやキャストを殺害し、本物の怪物と化してしまう。彼もまたキラークロックと同じ大柄クリーチャー型のヴィランで、その泥の塊のような外見が妖怪のようで良い。こんな見た目でも映画俳優としての栄光を取り戻すことを夢見ているというのだからまた切ない。確かに様々な人間に変身する能力は得たが、素の状態での彼はもはや粘土質の化け物でしかないのだ。



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