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【ミニシアター再訪】第14回 映画の街・銀座からの巻き返し・・・その3 銀座・ミニシアター元年 1987

【ミニシアター再訪】第14回 映画の街・銀座からの巻き返し・・・その3 銀座・ミニシアター元年 1987

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ミニシアターは後発



 しかし、ことミニシアターについて銀座はやや後発となった。銀座地区で最初のミニシアターとなったのは銀座テアトル西友で、シネ・ヴィヴァン・六本木(83年オープン)やシネセゾン渋谷(85年オープン)を成功させていたセゾングループが87年3月に開館。コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』(84)ではじまりを迎え、六本木や渋谷に遅れた形で銀座地区に参入した。 


 日比谷に東宝系のミニシアター、シャンテシネ1・2ができたのは同年10月だったが、この劇場の場合はミニシアターだけが単独でつくられたわけではなく、あくまでも銀座・日比谷地区の映画館のリニューアルと合わせた形で完成した。


 この頃、東宝だけではなく、松竹、東映など日本の大手会社が結集して有楽町のビル、マリオンに新しい映画館を作った。マリオンは朝日新聞の本社ビルと東宝の日劇の跡地に建てられ、阪急や西武などの大手デパートも入っていた。本館は84年に開館して評判を呼び、別館の方は87年に完成する。 


 この年の『朝日新聞』(8月24日夕刊)にこんな記事が掲載されている。 


 「東京・有楽町駅前のマリオンと、晴海通りを隔てて目と鼻の先の日比谷に、それぞれ豪華な設備を整えた映画館が合わせて4館、この秋に加わり、『リッチな気分で見られる映画街』にイメージチェンジする」


 「(中略)その中で、10月に完成する有楽町マリオンの増築ビルには、世界でも珍しいコンピューター制御のシャンデリアつきがお目見えするなど、映画館の『豪華志向』に拍車がかかりそうだ」新たに出来る映画館のうち2つは、『からくり時計』などで都心の新名所になった有楽町マリオンの東隣に増設中」


 「(中略)一方、JR線の線路をはさんで日比谷側の旧日比谷映画、有楽座の跡地に東宝が建設を進めている有楽町一丁目の『シャンテビル』(地上18階、地下4階)の2-4階には、『シャンテシネ1』(226席)と、4-6階部分に『シャンテシネ2』(同)が出来る。両館とも小規模ながら、音響効果とゆったりした座席に重点を置いている」 



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