林遣都出演のおすすめ映画（2012）
5.『闇金ウシジマくん』（12）
吉高由里子が連続ドラマ初主演を務めた『美丘 君がいた日々』（10）では恋人を演じ、テレビドラマ、映画と展開した『荒川アンダーザブリッジ』（11）では、異人・怪人たちに翻弄される“普通の人”役でバランサーを務め、座長の大役を果たした林。
人気ドラマの初映画化である『闇金ウシジマくん』では、イベントサークルを運営する上昇志向の強い大学生役にチャレンジし、山田孝之に引けを取らない安定感を見せつけた。
「携帯電話のアドレスに入った3000件のネットワークが武器」と豪語し、なんとかしてビッグになろうと駆けずり回るチャラ男（林）。出来心で闇金に手を出した結果、出口の見えない暗闇まで転落していく――。自らの野望と実力が伴わずに空回りを重ね、焦燥と絶望にまみれていく痛々しさを、全身で表現。
ただの「闇金の被害者」や「自業自得」と観客に思わせてしまうような表面的なキャラクターではなく、夢に目がくらんでしまう人間の性（さが）を漂わせ、共感性や悲壮感もしっかりと植え付ける演技は、林の真骨頂といえる。
6.『悪の教典』（12）
大学生役の直後に、高校生をなんなく演じられる「若さ」は、林の大きな武器だろう。本作では、教師と禁断の関係を続ける同性愛者の美術部員に扮している。
三池崇史監督が伊藤英明を主演に迎え、サイコパスの教師が周囲の人間を自殺に見せかけて次々に殺していくさまを、センセーショナルに描いた問題作。生徒役には、染谷将太、二階堂ふみ、松岡茉優、伊藤沙莉、岸井ゆきのといった現在のブレイク俳優が多数参加している。
公開当時も過激な内容が物議を醸した作品であり、校内で生徒たちが教師にショットガンで撃たれて吹っ飛び、辺り一面に血が飛散し、阿鼻叫喚の地獄絵図となるさまは相当強烈だ。
林の出演シーンには、男性同士のラブシーンのほか、予想もしなかった異常事態にうろたえる逃走シーン、襲撃する教師と一対一で対峙するシーンも用意されている。より表現力の“幅”を提示した作品といえるだろう。
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