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役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!

(C) 2020「劇場」製作委員会

役を抱きしめ共に歩む女優、松岡茉優出演のおすすめ映画10選!

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7.『蜜蜂と遠雷』(19) 監督:石川慶 118分


直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸による長編小説を、松岡主演、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士の共演で映画化。コンクールで鎬を削るピアニストたちの交流と対決、内面の揺らぎを美しい映像で紡ぐ。


かつて「天才少女」ともてはやされるも、ある事件から舞台を去ったピアニスト(松岡)が、コンクールに復帰。周囲の心に火をつける神童(鈴鹿)、仕事の傍ら音楽を続ける苦労人(松坂)、技巧派の幼なじみ(森崎)らとの触れ合いの中で、自分が演奏者として生きるべき「理由」を見出していく。


本作の見せ場は大きく分けて2つあり、1つは「こだわりの演奏シーン」。4人それぞれに“個性”が異なる迫力の演奏に、その瞬間瞬間のあふれ出すような感情が乗せられ、観る者を引き込んでいく。松岡ら出演者は、約1ヶ月という限られた時間で猛特訓に励んだそうだ。クライマックスの演奏シーンでは、主人公が“覚醒”する瞬間を艶やかに演じ切っており、「ゾーン」に入った表情や立ち上るオーラに、圧倒させられる。


もう1つの見せ場は、「天才にしかわからない苦悩や不安、焦燥」。劇中では杓子定規的な「容易にくみ取れる」形で主人公の心情が描かれず、観客との間にある種の「隔絶」が存在する。つまり、苦悩していても主人公はピアノの神様に愛された天才であり、我々には到底感じ取ることができない“世界の音”と“はるかな景色”を観ているのだ。


その構造を、松坂が演じる「天才になれなかった」ピアニストが代弁するというアプローチも、非常に新しい。しかし、周回遅れだった観客の共感は、終盤に主人公と合致し、連弾を奏でる――。このカタルシスを生み出したのは、松岡の精緻な演技設計によるものだろう。



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