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今撮らなければ消えてしまうものがそこにある『もち』小松真弓監督&及川卓也プロデューサー【Director’s Interview Vol.67】

今撮らなければ消えてしまうものがそこにある『もち』小松真弓監督&及川卓也プロデューサー【Director’s Interview Vol.67】

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忘れてはいけないものが込められている



Q:小松さんがこうして映画を作ることを決心していく過程は、及川さんの目にはどう映ったのでしょうか。


及川:僕は一関の出身なんです。所属しているマガジンハウスで、「ローカル・地域」のことをテーマにした「colocal コロカル」というWEBサイトを運営しているのですが、その関係で、地元・一関のPR映像を作ることになったのが、今回の事の発端です。それで僕の方から小松さんに相談したのですが、そこからは小松さんがお話しされた通りでして、いつのまにか、仕事を大きく超えるような関わり方をしてくださって、本当に感謝しかないですね。


また、今回の映画はプロの役者は一人も出ていなくて、全て市民の方々に出演していただいたんです。小松さんが、皆さんから聞いた話をストーリーに落とし込み、シナリオを作っているのですが、出演者の方々はそのシナリオを元に演じるのではなく、取材時に語った言葉を、映画の中でそのまま再現してくださった感じです。




例えば、おじいちゃん役の蓬田稔さんは、実際に神楽の庭元(師匠)なんです。主人公のユナちゃんやその友達のシホちゃんは、閉校を間近に控えた中学校の生徒で、彼女たちも実際に神楽の鶏舞を踊っているんです。神楽って、神話や寓話のようなもので、大切な事を言い伝えるためにある芸能なんですが、僕はこの映画も、一つの新しい神話や寓話のようなものだと感じています。小松さんが言ったように、忘れちゃいけないものがこの映画に込められているんです。


その忘れてはいけないものの中には、3・11もありますし、この映画にも出てくる、岩手・宮城内陸地震もあります。また、子供達の学校が無くなっていくことだったり、高校生になると故郷を離れていくこと、そして今回のコロナだったりと、この時代に忘れちゃいけないことを、小松さんの感性が感じ取って、この映画にしてくれたんだと思っています。


おそらくこれは岩手の一関だけの物語ではなくて、日本のさまざまな場所にある物語なのではないでしょうか。この作品に描かれたことを大切に思う気持ちや、人とのつながり方など、そういうことが、これからの、特にコロナ後の日本には、すごく必要なことのような気がしています。



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