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【CINEMORE ACADEMY Vol.5】編集編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

【CINEMORE ACADEMY Vol.5】編集編 映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の作り方

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素材をすべて渡して、どう編集するかを“試す”



Q:なるほど。ありがとうございます。ではここからは、「映画の編集とは何ぞや?」というベーシックな部分から、『宇宙でいちばんあかるい屋根』のお話まで、聞かせてください。映画編集ってざっくり「シーンをつないでまとめていく」イメージなのですが……撮り終えて、じゃあ編集に移るよ、というタイミングで、具体的にどういう作業が発生するのでしょう?


古川:藤井組の場合は、撮影素材が昔ながらの「カット1がこっち向きでセリフをここから、カット2が寄りで、カット3が引き」といったくっきり分かれたものではなくて、シーンが丸ごと通しとなっていて、それを渡されるんですよ。寄りなら寄りで1シーン分が丸々あるんです。


それをまず、どのショットから始めて、どのセリフ、どの動きで、どう切り替えていくのか、とにかく選択していきます。




藤井:映画が大体1カメで、ドラマは大体2カメで撮っています。引き、寄り、ブツ(物撮り)のようなパターンですね。それを全テイク渡してます。


僕たちのやり方は通例に一切準じてないから、かなり特殊だと思います。「藤井組は尋常じゃない素材量」って、よく言われますね。


古川には脚本だけ前もって渡しておいて、何をどこでどう撮ったかは全部伏せた状態で、撮影素材を渡すんですよ。それを古川が、まず僕が全く入らない状態で、2時間につないでくる。要は脚本と、僕たちが撮った映像を、どう編集技師として解釈してくれるかが見たいんです。


古川の目線から見た映画を1回作ってもらうと、自分がやりたかったこと、描きたかったことが、どんどん客観視できてくる。そのため最初は極力シーンを削らずに、つないでもらうんです。そこからは2人で議論しながら、「ここは映画として饒舌すぎるね」というものを、何か月もかけて削いでいくのが、僕らのやり方ですね。



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