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ピクサーおすすめタイトル7選+傑作短編! CGアニメがもたらす温かさと感動、そして抜群のストーリーテリング!

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ピクサーおすすめタイトル7選+傑作短編! CGアニメがもたらす温かさと感動、そして抜群のストーリーテリング!

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6.『インサイド・ヘッド』(15)




これまでにも書いてきた、ピクサーの「設定の妙」が光るアイデア作。今度は「感情」を主人公にし、ヨロコビとカナシミのコンビが、1人の少女の頭の中で大冒険を繰り広げる。


観る者をワクワクさせるのは、頭の中を見事に映像化した世界観だ。「喜び(ヨロコビ)」「悲しみ(カナシミ)」「怒り(イカリ)」「嫌悪(ムカムカ)」「恐れ(ビビリ)」といった感情をつかさどる5人のキャラクターが常駐する「司令部」、夢が作られる「スタジオ」、ボール状になった「記憶」、その「保管庫」と「記憶のゴミ捨て場」、「友情の島」「正直の島」など、少女にとって大切なパーソナリティが「島」で分けられている設定……。イマジネーションあふれる描写の数々で、人の頭の中をアトラクション化した。


本作には、少女が幼いころに作り上げたイマジナリーフレンド(空想上の友だち)だが、成長するにつれて忘れかけられてしまったビンボンというキャラクターも登場する。『トイ・ストーリー』のおもちゃ的なポジションであり、愛情が一方通行のまま「忘れられる哀しみ」に苦しむ姿は、私たちの心にも懐かしさと痛みを呼び起こすことだろう。


『トイ・ストーリー』の原案も務めたピート・ドクター監督の作品には、「発想の逆転」という共通するテーマが挙げられる。『モンスターズ・インク』の「驚かすのではなく、笑わせる」、『カールじいさんの空飛ぶ家』の「家にいながら、旅に出る」等々……。


本作にも「人の感情は成長するにつれ、複雑化してくる」というメッセージが込められており、「嬉しいのに、悲しい」といったような微妙な感情の表出を、ヨロコビとカナシミが協力することで生み出していく=少女も大人になっていく、という解決法を提示することで、観る者にカタルシスを感じさせる。


それぞれの感情を司るキャラクターを生み出したうえで、彼らが体現する純度100%の感情は一元的なものなのだ、と“自己否定”させるプロセスは、これまでの作品同様に「考え方を変えてみる」構造。作家性やスタジオらしさが感じられる絶妙手だ。


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