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『おもかげ』ロドリゴ・ソロゴイェン監督 映画館に行って映画文化を皆で支えてほしい【Director's Interview Vol.88】

『おもかげ』ロドリゴ・ソロゴイェン監督 映画館に行って映画文化を皆で支えてほしい【Director's Interview Vol.88】

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幼い息子を失ったひとりの女性の希望と再生の旅路を描いていく『おもかげ』。本作は、スペインの新鋭ロドリゴ・ソロゴイェン監督が2017年に製作した18分の短編映画「Madre」が出発点となっている。同作は、第91回アカデミー賞®短編実写映画賞にノミネートされたほか世界各国の映画祭で50以上もの賞を受賞し、世界の映画人を驚かせた。短編に続いて本作『おもかげ』のメガホンをとったソロゴイェン監督は、緊迫感あふれるワンシーンのその短編を大胆にも映画のオープニングシーンとして採用し、息子を失った女性エレナの〈その先〉の物語を描いていく。


ロドリゴ監督はどのように本作を作り上げていったのか?本人に話を伺った。


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完璧だったキャスティグ



Q:エレナ役のマルタ・ニエト、ジャン役のジュール・ポリエが素晴らしかったです。二人はどういった経緯で決まったのでしょうか。


ロドリゴ:二人の役を決めたポイントはまったく違うんだ。マルタ・ニエトついては以前作った短編「Madre」にまでさかのぼる。その短編を作るとき、私はもともと別の女優を考えていた。しかし、いざ撮影をしようとしたとき、その女優は既に別の仕事が入っていて出演できなかったんだ。


その頃ちょうど、マルタと知り合いになっていて、彼女を見ていると、この役に完璧だと考えるようになっていた。当時彼女はシングルマザーで6歳の息子がいたんだ。それに彼女は見ての通り力強さがあるしね。結果的にその直感は間違いがなかった。短編のあと長編をつくるにあたり、彼女がメインとなっていったね。




それに対しジャン役のキャスティングは、一歩間違えると映画がダメになってしまうから、結構心配したよ。実際に皆でフランスまでいってキャスティング会社も雇っていろんな俳優を手配もした。キャスティングに時間がかかるだろうと思っていたら、思いがけず1週間ぐらいでジュール・ポリエをみつけた。本当に彼でいいのか、もう少し探そうかとも思ったけれど、いやこれ以上はない、探しても無駄だと思ったね。それくらい、ドアを開けて入ってきた瞬間から彼だと思ったんだ。わずか1週間で決めてしまったよ。それは間違いがなかったね。


二人のキャスティングは完璧だったと思っているよ。


Q:短編と長編、それぞれの撮影時期と期間はどれくらいでしたか?また、短編が完成した後、長編がクランクインするまではどれくらいの期間があったのでしょうか。


ロドリゴ:短編は2016年に撮影して、期間は4日間。全編の95%がワンカットだが、3日間はそのワンカットの撮影だった。2日間が練習で1日が本番だ。残りの1日はフランスに出かけて撮影した。最初と最後に海外のシーンがあるけれど、それを撮りに出かけたんだ。


一方で長編の方は2018年に撮影して2019年に発表、フランスで6週間ぐらい撮影したよ。短編が完成してから長編のクランクインまでは2年ぐらい間があったね。



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