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『おらおらでひとりいぐも』沖田修一監督 「ほっこりした日常」とか見たくないんです(笑)【Director’s Interview Vol.90】

『おらおらでひとりいぐも』沖田修一監督 「ほっこりした日常」とか見たくないんです(笑)【Director’s Interview Vol.90】

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鷲尾真知子さん、すごく良かったです



Q:主演の田中さんはもちろんですが、周りの役者さんもすごく印象的です。六角精児さんなんて出番は少しですが、かなり強烈で面白い役でした。キャスティングのポイントはどこにあるのでしょうか。


沖田:六角さんが演じる役は結構迷った気がしますが、「あ、六角さんだ」って、ある日パッと思いついて、プロデューサーに言ったら、「あ、それはいいじゃないか」みたいな話で盛り上がって。そんな勢いでオファーしましたけどね。

 

Q:六角さんの役は個人的にはすごく好きでして、みんなでパレードしているシーンにもしっかり出て来たのが嬉しかったです。


沖田:よかったです。僕はあのシーンに六角さんは絶対いた方がいいって言ったんですよ。いなくても良いのでは?って意見もあったんです。でも、いや絶対にいた方がいいって通しました。


Q:それぞれのキャラクターが立ってて、みなさん本当にいい感じなんですが、キャラの作り込みについては、どこまで俳優さんに委ねるのでしょうか。


沖田:どうしたら面白くなるかって、すごく普通の話をして、あとは現場で本人が見せてくれます。それ以上特別なことは何もしてないですね。何度も一緒にやってる俳優さんは、僕がどんなのものが好きかを知ってると思うんです。なんかそういう感じはあるかもしれませんね。




Q:今回、初めてご一緒した俳優さんはどなたですか。


沖田:蒼井優さん、東出昌大さん、宮藤官九郎さんもそうですね。濱田岳さん、青木崇高さんは以前ご一緒したことがあって、二人とも佇まいも良いし、お芝居もうまいんですよね。よく考えたら今回は初めての人が多かったですね。鷲尾真知子さんも初めてでしたが、すごく良かったです。


Q:鷲尾さん、図書館司書の役でしたね。


沖田:桃子さんが図書館に行くたびに、鷲尾さん演じる司書が色んな習い事を勧めてくるのですが、同じ日に色々パターンを撮って後で編集でつないでみたら、ちゃんと毎回違う演技をしてるんです。驚きましたね。また、医者の役の山中崇さんも面白くて、原始人メイクをやってもらったのですが、芝居してたらいきなり泣き出したんです。田中さんもびっくりしてました。終わった後は、田中さんちょっと笑ってましたね。


Q:脚本上は泣く必要がなかったのですか?


沖田:はい。山中さんが勝手に泣いちゃったんです(笑)。



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