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ロバート・パティンソンの奇妙な冒険。異才が際立つエッジーな出演作7選

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ロバート・パティンソンの奇妙な冒険。異才が際立つエッジーな出演作7選

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いま、最注目の俳優の一人ロバート・パティンソン。クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』(20)で主人公のセクシーな“相棒”を演じ、新『猿の惑星』シリーズのマット・リーヴス監督による『ザ・バットマン』(22)では、ブルース・ウェイン/バットマン役に抜擢された。ちなみに本作では、コリン・ファレルがペンギン、ポール・ダノがリドラー、ゾーイ・クラビッツがキャットウーマンを演じる模様。



キャリア初期の2005年に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の重要キャラクター、セドリック・ディゴリー役をつかみ、注目を浴びたパティンソン。本作では主人公ハリー・ポッターの先輩で人気者の優等生に扮した。その後、2008年には人気ヤングアダルト小説を映画化した『トワイライト〜初恋〜』に出演。同作は2012年までに実写映画が5作作られるヒットシリーズとなった。


この経歴だけをみると、ロバート・パティンソンという役者はメジャー映画に引っ張りだこのスターに思えるが、彼の嗜好自体はかなりアート映画寄りな気がしてならない。『トワイライト』シリーズが終了したタイミングからは、作家性が強い映画に好んで出演するように。批評家やコアな映画ファンからも一目置かれる存在へと上り詰めていった。その果てにバットマン役があると考えると、実に感慨深い。


今回は、パティンソンがこれまでに出演してきた“奇妙な映画”を、7本に絞ってご紹介する。


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1.『コズモポリス』(12) 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 109分


ロバート・パティンソンの役者人生・第2章の始まりと位置付けられる怪作。『裸のランチ』(91)や『イースタン・プロミス』(07)の鬼才デヴィッド・クローネンバーグが監督・脚本を務めた不条理劇で、リムジンの中で1日を過ごす大富豪の投資家を演じた。


大統領の暗殺計画が騒がれる大都会ニューヨーク。狂騒の街を、リムジンに乗って主人公のエリックは進んでいく。道中では女たちとの快楽におぼれ(のちに『ハイ・ライフ』(18)で再共演するジュリエット・ビノシュとのラブシーンも)、医者も部下も、皆が車に乗り込んでは降りていく。画面上では巨万の富を動かし、大規模な損失が起こったり、SPから「暗殺者が追っている」と衝撃的な話を聞かされたりするが、どこか現実感がわかない。車の外ではネズミの死体を持った世紀末論者たちが騒ぎ立て、大規模なデモが巻き起こるが、エリックにとっては観察対象でしかない。


意味深で哲学的だが、かみ合わない会話や奇抜なシーンが連続するなど、かなり作家性の強い内容で、サイバーながら退廃的という独特の風合いだが、パティンソンの現実感の薄い佇まいが絶妙にマッチ。現実にも自身にも冷笑的に接するセレブを、見事にこなしている。


本作で演じた大富豪のポジションは、いま思えばブルース・ウェイン役につながる布石といえるかもしれない。



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