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『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

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セット撮影から導く脚本



Q:今回、武監督は脚本にはクレジットされていませんが、お話を伺った感じでは脚本化作業は一緒にやられたのでしょうか。


武:一緒に構成内容について話したり、アイデアを出したりはしました。例えば、この映画はホテルが主人公なので、その部屋を軸にして時間の経過をどう表現するかなど、撮影を念頭に置いた上で、脚本のアイデアを出していました。


Q:時間の経過を表現する演出は映画の随所に見られましたが、言葉に頼らない、まさに映画的な見せ方で面白かったです。撮影も大変だったのではないでしょうか。


武:ラブホテルが営業している時から廃墟になるまでを描く必要があったので、これはもうセットでの撮影しかないなと、その前提での脚本作りでした。セットでどう撮影するかを常に考えて脚本にした方が、どんどん撮影の自由がきいて広がりが増えるんですよ。




Q:物語がほとんどラブホテルの中で展開するので、限定空間での演出は大変なのではないかと思っていました。


武:逆に、普通の作品だとなかなか出来なかったことが今回は出来るので、今までやりたいと思っていたことを全部試しました。セットでの撮影は助監督時代に相当経験しましたけど、自分が監督になってからなかなかやれてなくて、映画の撮影所で学んだことを、今回どれぐらい試せるかっていうのは、やってて面白かったですね。


今回は、ラブホテルの部屋自体が主人公の一人ですから、どう設計しようかと。そこを見せ場にしなければと思いましたね。


Q:脚本作りには結構関わられたんですね。


武:まあでも、実際に書いたのは清水さんですから。僕はただ口でいうだけです。監督って舌先三寸の仕事ですから(笑)。



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