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世界で活躍する映画監督・深田晃司、監督作15作品を本人が一挙解説!

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世界で活躍する映画監督・深田晃司、監督作15作品を本人が一挙解説!

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日本映画の第一線で活躍する映画作家たちを総力特集する「いま、映画作家たちは2020-2021」。この特集で、深田晃司監督の最新作から貴重なテレビ初放送の作品が、日本映画専門チャンネルで12月19日より放送される。この放送を記念し、何と深田晃司監督自身が放映全15作品を一挙解説。映画鑑賞の前でも後でも、副読的にぜひご活用ください!


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『椅子』TV初・未ソフト化 2001年 / 95分 / 日本




 (C)2004 椅子上映委員会


監督/脚本/製作/撮影/編集/音楽:深田晃司

出演:井上三奈子、森脇麻衣子、小林亮太、細原好雄、伴陽介、永井正子


21歳のとき、短編映画も撮ったことがないのに、若さと無知の勢いでいきなり長編映画に挑戦した作品で、多くの人に迷惑をかけながら完成した。実力も経験もないのに野心だけは大きく、手近な同世代の人間ばかり出てくる学生映画あるあるへの反発で、少年と大学生と主婦と老人の群像劇を撮ろうとした。


人手がなくカメラも照明も美術も音楽も全部自分で行う。スタッフは日替わりで友人に声をかけた。結果、今見ると若さと拙なさが身悶えするレベルの恥ずかしさで習作と言い張ることにしている。整音する技術もないので音も酷いです。ごめんなさい。先に謝ってしまいます。でも愛着がないかと言えばある。俳優さんは頑張ってくれたし、トリュフォーの『大人は判ってくれない』(59)からキアロスタミの『トラベラー』(74)まで気取ったラストシーンは結構好きです。


完成してから3年後の2004年に、アップリンクの担当Kさんが拾ってくれて一週間上映をしたものの、宣伝の仕方もわからず当時は自主映画が一般公開される文化もあまりなく観客ゼロを連発。散々な結果に終わり、興行の恐ろしさを学びました。そのときの体験が後に『東京人間喜劇』の写真展のエピソードに生かされています。




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