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『ベイブ』が教えてくれること【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.16】

『ベイブ』が教えてくれること【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.16】

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牧羊犬ボーダーコリーの良さも思い出す





 ぼくの家はウェルシュ・コーギーを飼っていて、これも牧羊犬の一種なのだけれど、改めて牧羊犬仲間のボーダーコリーの良さにも気付くことができた。黒と白の長い毛と、凛々しい表情は、そういえば『ベイブ』を観ていたぼくにとって優しい犬の代表的イメージだった。


 ベイブの母親代わりになってくれたメスのフライは、とても優しく、ご主人や牧羊の仕事にも忠実で、力強さも兼ね備えていた。オスのレックスは、ベイブには冷ややかで、フライが彼の面倒を見ること、ましてや牧羊犬の真似ごとにも反対だった。レックスに敵視されるベイブを、フライは優しく慰めてくれた。


 しかしそんなフライも、羊たちに対してはかなり厳しい態度だ。強い語調で指示を与え、自分が指示をしなければなにもできない愚かな連中だと見下していた。レックスだけでなく、優しいフライでさえも羊たちに対して冷淡なところから、農場の動物たちの間に難しい関係があることがわかる。犬たちは羊を見下していたし、羊たちのほうも当然犬を嫌っていたのだ。



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