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古くて新しいチョコレート工場【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.18】

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『夢のチョコレート工場』への招待



 チョコレートの季節ということで、チョコレートの映画と言えばぼくは『チャーリーとチョコレート工場』である。イギリスの作家ロアルド・ダールによる児童文学「チョコレート工場の秘密」を、ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演というお馴染みの組み合わせで映画化した作品だが、映画化自体は二度目で、1971年の『夢のチョコレート工場』が最初の映画版だ。存在は知っていたけれどずっと未見だったこの作品、今回初めて観てその魅力を思い知った。


 おおまかなストーリーは原作も、最初の映画版も、バートン版も同じ。世界中から愛されているお菓子会社ワンカ(バートン版以降は「ウォンカ」が定着しているけれど、あえて「ワンカ」と書きますね)が、ある日全世界に出荷した板チョコの中に金のチケットを5枚隠したと発表。チケットを引き当てた者は謎に包まれたワンカの工場を見学し、一生分のチョコレートをプレゼントされるというものだから大騒ぎ。子どもも大人も血眼になってチケットを探して板チョコを買い求めるが、主人公の少年チャーリーを含めた5人の子どもたちが見事チケットを当て、不思議なチョコレート工場に招待される……。


 『夢のチョコレート工場』はとにかく洒落ていてかわいらしい。原作のおとぎ話感をそのまま映像化したような具合で、一見時代がかって見えるキャラクターの造形や小道具もポップだ。サイケデリックな雰囲気で、デジタルとは無縁の特撮がかわいらしいと同時にどこか不気味でもあり、バートン版とはまた違った危なさや毒気のあるユーモアが満載なのだけれど、やはり最初の映画化とあってチョコレート工場のヴィジュアルを定義した作品だと思う。



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