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緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

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映画化で意識したのは「動線」



Q:キャストは同じですが、一方で舞台から映画化する際に変更した点はありますか。


玉田:映画はロケが出来るので、外と廊下のシーンを足しました。他には、携帯の画面の中を映したりと、舞台ではできなくて映画だからできることを差し込みましたね。


Q:そうですね、舞台だと手元のアップなんか見えないですもんね。


玉田:そうなんです。また、シーンを足すと当然尺が伸びるので、全体で100分に収めたかったので、舞台版からちょこちょこ切った部分はあります。


Q:舞台版は何分なんですか。


玉田:舞台版も100分なんですよ。


Q:100分。足した分があるからその分削ったと。


玉田:はい、そうです。




Q:なるほど。では、実際に演出される立場でいうと、舞台と映画で違いはありましたか。


玉田:そうですね、演技のトーンなどにあまり違いはなかったのですが、意識した違いは、動き、動線ですね。動線に関しては映画の方が確実に意識して作っています。


 例えば、舞台だったら、演者が話すだけのシンプルなシーンだとしても、お客さんの目の前に役者がいるっていうこともあって、動かなくても結構見てられるんですよね。もちろん役者の力量にもよりますけどね。一方で映画になると、画代わりしないところで演技だけを撮っていると、やっぱりちょっと持たないんですよね。


 それで動きをつけていくのですが、でも動かすにしても何か意図がないと動けないので、その人物の生理に合った形でどう動かしていくかを、役者とリハーサルをしながら探っていきました。また、舞台の場合は客席側の一方だけから見てるっていう体での段取りなんですけど、映画だとそれがないんですよね。どこからでも見られてもいいように、ある特定のどこかを意識しないような形の動きに変えていきました。



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