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緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

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舞台版が活きてくる群像劇



Q:ネタバレになるので、詳しくは言いませんが、バカにした目線でほくそ笑むシーンとか結構笑えます。


玉田:あいつ本当にそういうやつなんですよ(笑)。


Q:カメラの画角の中にたくさん人がいて、ほくそ笑んでる人が隅でギリギリ映っていたりとか、どこまで計算してるんだろうって思いました。しかもカメラはちゃんと逃さず撮ってますしね。あの辺は本当に面白かったです。


玉田:この映画、そもそも最初は舞台なんで、舞台だとカット割りをお客さんが決めてるようなものなんです。会話している舞台の中央で話が展開してるときに、舞台袖のあの人はどういう顔してるんだろうって、お客さんって色んなところを結構見るんですよね。そして、実はその舞台袖で結構面白いことが起きていたりもするんですよ。今回はそういうふうに全体を作ってる映画なんですよね。


 実はVR映画にしようかっていう案もあったんです。どっちを見てもそれぞれの役者が全部見れて、それでストーリーが進行していくのも面白いかもしれないねって。




Q:みんなが混乱してカオスになっていく瞬間に、それぞれの人の行動を盗み見ているようで面白かったですね。確かに、舞台を見ている感覚に近かったのかもしれないです。また、たくさん人が出ているという意味では、脚本も大変だと思いますが、人物相関図みたいなものを書いて整理されたりするのでしょうか。


玉田:結構流れで書いていきます。でも途中で複雑になってきたら1回自分で整理するために、相関図みたいなものを書いてみることはありますが、最初は全然ないですね。1ページ目書いてみて、あ、こういう会話してるっていうことは、あ、こいつはこいつと仲いいんだなって自分で分かっていくみたいな感覚です。それで、2ページ目、3ページ目と書いていって、あ、こいつが一番先輩なんだって、書きながら分かってくる感じです。


Q:一人一人に見せ場があるように感じましたが、その辺のバランスは取られているのでしょうか。


玉田:そうですね。どの作品でもそうですけど、印象がなかった人物はいないようにしたいんです。


Q:なるほど。そうですよね。


玉田:結構そこは意識しています。


Q:全員主役みたいな感じがしますよね。


玉田:そうですね。群像劇なので、誰が主役っていうわけでなく全員主役です。



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