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  3. 悪者に対抗する文化・芸術という財産『ディリリとパリの時間旅行』ミッシェル・オスロ監督【Director’s Interview Vol.36】
悪者に対抗する文化・芸術という財産『ディリリとパリの時間旅行』ミッシェル・オスロ監督【Director’s Interview Vol.36】

悪者に対抗する文化・芸術という財産『ディリリとパリの時間旅行』ミッシェル・オスロ監督【Director’s Interview Vol.36】

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パリとベル・エポック



Q:『ディリリとパリの時間旅行』では、ベル・エポック時代の素晴らしいパリの情景や人々が登場します。日本でもベル・エポックは人気があって、それがパリのイメージを作っているところがあります。


オスロ:日本の観光客の多くは、おそらくパリに過大な期待をしているのではないかと思います。だからフランスの日本大使館に、パリの現実を見た人々の心のケアをする部署が必要だと思っているのですが、本作を見たら、また過大な期待を与えてしまうのじゃないかと……(笑)。




でも、私の描いたパリというのは、本当に存在する部分もあるんです。それは、本作の背景として登場する写真です。私が直接、現代のパリで撮影した当時の建物などを本編で使用しているんです。もちろんCG処理をしていますから、車や自転車、ゴミ箱、それから私の大嫌いな、グラフィティ(壁の落書き)とかタバコの吸い殻のようなものは消去していますけどね。




パリに協力を仰いだら、いろいろな場所を取材させてくれて、美術館の休館日に一人で撮影できましたし、オペラ座では、本当は屋根に登ったりなんかしてはいけないのでしょうが、こころよく撮影を許可してくれました。劇中に下水道も出てきますが、下水管理局も「好きなように探検してくれ」と言ってくれたんです。



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