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ハリー・ポッターと魔法学校のクリスマス【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.14】

ハリー・ポッターと魔法学校のクリスマス【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.14】

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魔法世界のローカライズ





 ホグワーツにはハロウィンやヴァレンタインもあるけれど、それも同じ感じ。『ハリー・ポッター』の世界観には、聖人のお祝いだろうと、古代ケルトのお祭りだろうと、冬至のお祝いだろうと、楽しいモチーフはなんでも取り入れられている。あまり深く掘り下げられたりはしないけれど、定番のイベントが祝われている様子が、ホグワーツをぐっと身近に感じさせてくれる。全くの異世界を描いたハイ・ファンタジーではなく、あくまでこちらの世界の延長上に魔法の世界があるのだ。


 城に住み着いている(取り憑いている?)ゴーストたちや、動く肖像画といったものも、深く考えるよりは雰囲気を盛り上げるモチーフとして捉える。なんならゴーストたちもクリスマスを祝っている。ゴーストたちが廊下を漂いながら口ずさんでる陰気なクリスマス・ソングもなかなか素敵だ。


 『ハリー・ポッター』の世界観の魅力とは、なんてことは語り出したら山ほどあるけれど、不思議な魔法の世界でありながら親しみが持てるようにローカライズされているところは、大きな魅力のひとつだろう。わかりやすく解釈された魔法の世界で、誰もが経験した、あるいは憧れるティーンエイジが描かれる。そういうところが魅力だと思う。



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イラスト・文:川原瑞丸

1991年生まれ。イラストレーター。雑誌や書籍の装画・挿絵のほかに映画や本のイラストコラムなど。「SPUR」(集英社)で新作映画レビュー連載中。 

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