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『パスト ライブス/再会』グレタ・リー 誠実でリアルで、少し心地悪さもある映画【Actor’s Interview Vol.38】

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『パスト ライブス/再会』グレタ・リー 誠実でリアルで、少し心地悪さもある映画【Actor’s Interview Vol.38】

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“小さな物語”を尊重した



Q:本作はアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、グレタさんご自身もゴールデングローブ賞にノミネートされました。他にも数々の映画賞を受賞していますが、手応えのようなものは感じていますか。


リー:もちろん。それは感じざるを得ません。この映画はわりとコンパクトな作品としてスタートしました。最初から“小さな物語”という魅力を尊重していたので、それゆえにこの作品は特別なのだと思います。世界中で観てもらえることを願っていましたが、それが無謀な目標のようにも感じていました。それでも自分たちの信念を守りつつ、それが達成することができればどれだけ素晴らしいかと最初から話していました。そしてそれがすべて実現してしまった。これは滅多に起こらないことだと認識していますし、この結果は当たり前だとも決して思っていません。それでも、このような映画が世に認められることは、私たちにとって大きな意義がありました。



『パスト ライブス/再会』Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved


Q:影響を受けた俳優や映画を教えてください。


リー:幼かった頃は、アジア系の俳優がまだそれほど活躍していなかったから、映画を観ても、そこに自分を映し出すことができませんでした。当時は男優に魅了されていましたね。体格がよくて、強くて、筋肉質で、エンターテインメント溢れる役者に惹かれていました。ヴァル・キルマーの大ファンだったし、ニコラス・ケイジやジャック・ニコルソンも好きでした。みんな、役の選び方も演技も自由だったから、アジア系の少女から見ると解放的でパワフルに感じたんです。心が躍りましたね。


演劇や演技の仕事に真剣に取り組むようになって、初めて目標にしたい女優と出会うことができた。フランシス・マクドーマンド、マギー・チャン、シャーロット・ランプリング、ティルダ・スウィントン、ケイト・ブランシェット、彼女たちの演技を想像するだけで鳥肌が立ちます。彼女たちは自分が子供の頃に憧れた男優たちと同様、もしくはそれ以上にパワフルですね。思い悩んだ時は、彼女たちのことを考えます。ケイト・ブランシェットの演技を頭に思い描いたら、悩みが飛んで一気に視界が晴れますから(笑)。



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ⒸCorey Nickols/Getty Images


グレタ・リー

1983年に、韓国系移民2世として生まれる。アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身。大学で演劇を学び、卒業後はニューヨークで役者として活動を始め、数多くのテレビドラマや映画に出演。Netflixのドラマシリーズ「ロシアン・ドール」(19〜)と、Apple TV+のドラマシリーズ「ザ・モーニングショー」(21〜)で注目を集める。声優として、『スパイダーマン スパイダーバース』(19)で女性科学者ライラを、『スラムドッグス』(23)ではベスを演じている。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『パスト ライブス/再会』

4月5日(金)全国公開

配給:ハピネットファントム・スタジオ

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