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『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』ジム・ブロードベント 過去の記憶を掘り下げるように歩いたよ【Actor’s Interview Vol.40】

© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022

『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』ジム・ブロードベント 過去の記憶を掘り下げるように歩いたよ【Actor’s Interview Vol.40】

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脚本を愛せるかどうか



Q:本作はシンプルながらも丁寧に作られており、心に響く素晴らしい作品になっています。出演作はいつもどのように選ばれているのでしょうか。


ブロードベント:まずストーリーを愛せるかどうか、脚本を愛せるかどうかを基準にしています。また、同じような役はやりたくないので、演じたことのない役の方がワクワク出来るし好きですね。誰と組むかも重要です。過去に一緒に仕事をしたことがある人と、また仕事をすることも大好きです。あとは自分の生活と映画のスケジュールがハマるかどうか、そしてギャラが考慮に入ることもあります(笑)。まぁギャラはさておき(笑)、やっぱり何よりも脚本ですね。脚本が自分にアピールしてくるかどうか。そして自分が演じることによって何かをもたらすことが出来るかどうか、それも大事なことだと考えています。でも、脚本がすごく良かったとしても、自分よりも他の人が演じた方が良いのではと、思うこともあるんです。


Q:脚本を読んだ時点で、どんな映画になりそうか想像出来るものですか。


ブロードベント:私は想像出来ないですね。監督やスタッフたちのイマジネーションにいつも驚かされます。そういったクリエイティビティを目にするのはとても好きです。



『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022


Q:長い間俳優として活躍されて来ましたが、昔と今とで映画業界は変わったと感じますか。


ブロードベント:配信のプラットフォームがたくさん出てきて、映画業界はいま激変している最中です。最近シェパートン・スタジオに行ったのですが、最新テクノロジーが備わったすごく綺麗なスタジオを建設していました。イギリス中で新しいスタジオを作っているみたいですが、そんなに作ってちゃんと持続できるのかなと…。もちろん、そこから良いものを作っていけるのであれば大丈夫ですけどね。変わっていく映画界にも関わっていきたいですね。



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ジム・ブロードベント

1949年、イギリス、リンカンシャー生まれ。イギリスを代表する演技派俳優。マイク・リー監督の『トプシー・ターヴィー』(99)でヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞を受賞し、英国アカデミー賞にノミネートされる。続く『アイリス』(01)ではアカデミー賞®︎、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞に輝き、英国アカデミー賞にノミネートされる。『ハリー・ポッター』シリーズ(08/10/11)の魔法使いスラグホーン役、『パディントン』シリーズ(14/17)のグルーバーさん役で広く知られる。その他の出演作は、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08)、英国アカデミー賞にノミネートされた『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)、『ベロニカとの記憶』(18)、『ゴヤの名画と優しい泥棒』(20)など。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』

6月7日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開中

配給:松竹

© Pilgrimage Films Limited and The British Film Institute 2022

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