映画作りへの思い
Q:監督の映画への思いについて聞かせてください。これまではCMディレクターをずっとやってこられましたが、昔から映画を作りたいという思いはあったのでしょうか。
小島:いや、昔はそこまで映画への思いは強くはなかったかもしれないです。音楽や広告、ポスターやCDジャケットなど、ビジュアル的な格好よさの方が楽しかったんです。でも、自分の子供が生まれたりして、だんだんと年を重ねるごとに、人の生きていくことの深みというか、うわべだけの格好よさではない方に意識がいくようになった感じはします。
Q:今後も機会があれば、映画を撮りたいですか。
小島:そうですね。また是非やりたいですね、
Q:次回撮るときも同じアプローチになるのでしょうか?
小島:はい。今回は自分で一番ピッタリな方法で映画を作れたと思ってるので、多分また同じアプローチでやると思いますね。ただ次はもうちょっと明るい話にしようかな(笑)。
Q:では最後に皆さんにメッセージを。
小島:この映画は僕なりに希望がある話にしたつもりです。暗い話になっているかもしれませんが、この映画の中に出てくるような生き方や家族のあり方でも、良いんじゃないかと思っています。今はみんな、SNSなどでハッピーな部分だけを取り上げる風潮があるのですが、そうじゃないところで生きてもいいんだよっていうのを、感じてもらえればなと思います。
監督・脚本・編集 小島淳二
1966年6月12日生まれ。佐賀県出身。文教大学教育学部美術科卒。1989年よりデジタル編集のエディターとして活躍後、ディレクターに転向する。資生堂、Honda、uniqlo、全日空などのTVCM、ミュージックビデオ、ブロードキャストデザインなどジャンルを越えて多くの印象的な映像作品を輩出している。海外のクライントからのオファーも多い。
また、映像作家としてオリジナルショートフィルムの制作にも積極的に取り組み、その作品はRESFEST(USA)やonedotzero(UK)など海外の映画祭でも注目を集めている。Jam Films 2の1本として劇場公開された "机上の空論"では、RESFEST2003にて"AUDIENCE CHOICE AWARD"を受賞。第57回ベルリン国際映画祭の短編コンペティション部門に「THE JAPANESE TRADITION ~謝罪~」が出品された。 部門への日本作品の出品は31年ぶりとなる。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『形のない骨』
2018年7月28日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
公式HP: http://katachi-nai-movie.com
配給:エレファントハウス
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