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『花まんま』前田哲監督 関西弁ネイティブへのこだわりとは【Director’s Interview Vol.486】

Ⓒ2025「花まんま」製作委員会

『花まんま』前田哲監督 関西弁ネイティブへのこだわりとは【Director’s Interview Vol.486】

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最後の数行からプロットを作る



Q:映画化に向けて具体的にどのような動きをされたのでしょうか。


前田:朱川湊人さんの小説はもともと好きだったのですが、「花まんま」は読むタイミングを逸していて、直木賞受賞後にしばらく時間が経ってから読みました。朱川さんとは世代も生まれ育った場所も近く、「花まんま」の世界観にとてもシンパシーを受けて、ぜひ映画化したいと強く思いました。当時は『ブタがいた教室』(08)が公開したころで、その時のプロデューサーさんと映画化に向けて動いていたのですが、頓挫してしましました。その後、映像化の権利は他者に渡り、諦めざるを得なくなり、数年間失意の中にいました。その後たしか2019年頃に文藝春秋さんから「権利が空きました」と連絡をいただいたんです。他者さんも企画が頓挫したそうで、私が強い熱量で映画化したいと思っていたことを覚えていてくれたようです。それで、東映さんに話を持っていってゼロベースで動き出すことができました。


原作はほとんどが子供時代の話で構成されていて、大人になってからの話は「フミ子は明日、大好きになった男と結婚するのだ」という最後の2〜3行だけ。その大人の部分をオリジナルで作るところから企画がスタートしました。僕の中では、フミ子と繁田さんの関係は切れていなかったのではないか、という思いがあった。兄・俊樹と繁田家、どちらの家族も彼女の中にいる。そこをうまく物語として作りたいなと。



『花まんま』Ⓒ2025「花まんま」製作委員会


それで、映画会社に通すためにもプロットが必要となり、それを書いてくれたのがプロデューサーの須藤泰司さんでした。ちょうどコロナ禍のタイミングで、3年くらいかけて作ったのですが、それが非常に良い出来だった。そのプロットで会社も通ったので、そのまま須藤さんに、つまり須藤さんのペンネームである北敬太さんに脚本化していただきました。





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