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第40回PFF特別レポート PFFが日本映画界に果たした役割とは

第40回PFF特別レポート PFFが日本映画界に果たした役割とは

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 今年は日本の映画界にとって歴史に残る年となりそうだ。是枝監督の『万引き家族』がカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞、インディーズ映画『カメラを止めるな!』がまさかの記録的大ヒットなど、ある意味大きな節目となる年だろう。


 そんな今年、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)は第40回を迎えた。日本最大と言っても過言ではない自主映画の祭典、PFF。先日閉幕した今回は合計529本の自主映画の応募があり、そこから審査を経て入選した作品は18本。そして最終審査では7本の作品が受賞した。ここから映画界を背負って立つ、新たな才能が旅立っていくのである。


 応募者たちの想いは人それぞれだが、表現したい思いを形にするというところでは、皆共通しているのではないだろうか。そして実際に、それを形にして作り上げてしまう、とてつもなく強い意志を持っているに違いない。入選者の面々からは、まさにその強い意志が溢れ出ていた。


今年の入選作品は以下の通り。



グランプリ

『オーファンズ・ブルース』監督:工藤梨穂




準グランプリ

『ある日本の絵描き少年』監督:川尻将由




審査員特別賞 *作品名50音順

『川と自転車』監督:池田昌平



『19歳』監督:道本咲希



『すばらしき世界』監督:石井達也




エンタテインメント賞(ホリプロ賞)

『からっぽ』監督:野村奈央




ジェムストーン賞(日活賞)

『ある日本の絵描き少年』監督:川尻将由



映画ファン賞(ぴあニスト賞)

『すばらしき世界』監督:石井達也



観客賞

『一文字拳 序章 -最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い-』監督:中元 雄



※上記作品の受賞者は、第28回PFFスカラシップへの挑戦権を獲得。



[特別設置]ひかりTV賞

『オーファンズ・ブルース』監督:工藤梨穂



入選作品を今すぐ観る



 授賞式後のパーティーで黒沢清監督はこう言った。「PFFが無かったら今の日本映画界はどうなっていたかわからない。」確かに、現在第一線で活躍している監督たちにはPFF入選経験者が多い。応募はしたものの、入選しなかったという人も含めると、PFFの洗礼を受けた人たちは、今の日本の監督たちのかなり多くを占めるのではないだろうか。映画監督以外でも、PFFへの応募経験を持ちつつ、映画・映像業界に身を置く人たちは数知れない。かくいう筆者も学生時代にPFFに応募した口だ。多くの者がPFFに憧れPPFとその先の映画界を目指していた。そしてそういった人間たちが今の日本の映画・映像業界を支え、未来へ向けて懸命に動いている。PFFが果たしている役割は計り知れなく大きい。


今後もPFFが続いていくことを願いつつ、少しでもそれを応援していければと強く思った第40回のPFFであった。




取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。



PFF公式サイトはこちら


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