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『ベイブ』が教えてくれること【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.16】

『ベイブ』が教えてくれること【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.16】

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大人になって観た『ベイブ』



 子どもの頃から『ベイブ』が好きだった。農場にもらわれてきた子豚のベイブが、牧羊犬の仕事に興味を持ち、やがては世界初の牧羊"豚"を目指すという動物物語。子どもの頃は、ベイブの面倒を見てくれるボーダーコリーをはじめ、アヒルや羊、牛や馬といった農場の動物たちが口を動かしてしゃべっているところが、おもしろいなあ、楽しいなあ、豚が牧羊犬に憧れるなんてヘンテコでかわいいなあ、みたいなテンションで観ていたわけだけれど、大人になってから改めて観てみると、よりその物語の素晴らしさがわかった。


 農場に来たばかりのベイブは、もともと大きくなったら食べられてしまうはずだった。それが豚の運命だ。ところが、ベイブが鶏を整列させたり、羊泥棒を警告したのを目の当たりにした農場主ホゲットさんは、子豚に牧羊犬の素質を見出し、訓練の機会を与える。ホゲットさんとベイブは信頼関係を築き、ふたりは牧羊犬コンテストに出場することになる。


 豚と言えば、やっぱり食用の家畜というイメージがついてまわるし、悪口としてこの動物の名前が使われたりもするのだけれど、本当は犬と同じくらい賢いともされており、不当に誤解されているとも言える。ベイブが立ち向かったのはそういった誤解や偏見だった。そうして、お前にゃ無理だと言われた目標にひた走る主人公というのは、やっぱり熱い。



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