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重いシーンで役者に必要なのは、リラックスできる楽しい雰囲気。『ジュリアン』グサヴィエ・ルグラン監督【Director’s Interview Vol.18】

重いシーンで役者に必要なのは、リラックスできる楽しい雰囲気。『ジュリアン』グサヴィエ・ルグラン監督【Director’s Interview Vol.18】


重要なのは状況を理解すること



Q:トーマスさんのそのトレーナー、日本語ですね。


トーマス:これ、毎回聞かれるんですよ(笑)。日本に来る前にフランスで買ったんです。日本に行くからって盛り上がって買ったわけではなくて、純粋にこのトレーナーのデザインが気に入ったんですね。で、意味を調べたらたまたま「寿司、京都」だったんです(笑)。




Q:そうだったんですね(笑)。では気を取り直して、演技について聞かせてください。映画の中では、自分の父親を「あの男」という表現を使って呼んでいましたが、実際には、父親と母親に対してそれぞれどう思って演じたのでしょうか。


トーマス:心の中で持っていた思いは、父親に対する嫌悪感ですね。「パパ」と声に出して言えないほど、父親のことを嫌っている。その嫌悪感が「あの男」というふうに呼ばせたんです。


Q:お父さんに対して一番恐怖を感じたシーンはどこでしたか?


トーマス:一番怖かったのは、やはり車の中で父親と2人きりになるシーンですね。非常に緊張感が張り詰めるシーンでした。恐怖のあまり、ジュリアンはこの先何が起こるのかという恐怖から泣き出してしまうんです。また、浴槽のシーンも恐ろしく、一刻も早く誰か来てほしいと、心から助けを求めたシーンだったと思います。




Q:DVを受けた経験などがないと、ジュリアンの置かれてる状況はなかなか理解しがたいと思います。さらにトーマスさんは今回映画初出演ということだったのですが、どう役を理解して演じたのでしょうか。


トーマス:僕には演技指導の女性が付いてくれたんです。撮影前、彼女と一緒に役づくりとリハーサルを何度も繰り返したので、ジュリアンの役については徐々に理解していくことができました。そして完成した映画を見た後も、更にジュリアンについて理解を深めることができたかなと思っています。




Q:監督は、トーマスさんをどう演出をしていったのでしょうか。


ルグラン監督:トーマスにお願いしたのは状況を理解するということです。役者が演じる上で重要なことは、感情表現の技術ではなく、その役が置かれている状況を理解することが何よりも大事なんです。ジュリアンは母親を守るため、彼なりにじっと我慢強く一生懸命に父親に立ち向かいます。その彼が置かれている立場を受けいれてもらった上で、耐え忍ぶ抑制された演技を求めました。



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