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重いシーンで役者に必要なのは、リラックスできる楽しい雰囲気。『ジュリアン』グサヴィエ・ルグラン監督【Director’s Interview Vol.18】

重いシーンで役者に必要なのは、リラックスできる楽しい雰囲気。『ジュリアン』グサヴィエ・ルグラン監督【Director’s Interview Vol.18】

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意外にも楽しかった撮影現場



Q:すごく緊張感のある重いシーンの撮影ばかりだったと思いますが、撮影で楽しかったなどはありますか?


トーマス:撮影現場はいい思い出ばかりでした(笑)。スタッフ・キャスト全員仲が良くて、撮影中も休憩中も楽しく和気あいあいとしていました。みんなで遊んでいたという思い出しかないです。


Q:それは意外ですね。


ルグラン監督:この映画の内容からは想像できないほど楽しい撮影現場でしたよ。恐ろしい父親のアントワーヌを演じた、あの大きな熊みたいなドゥニ・メノーシェは、本人は冗談が大好きなとても面白い人なんです。




Q:監督は俳優もやられていますが、俳優経験を監督業に生かせる部分はどんなところでしょうか?


ルグラン監督:そうですね。俳優としての経験上、難しいシーンを演じるときは、自分の感情を思い切り出せるように、リラックスして安心できる雰囲気が必要だと思っています。


役を演じるというのはフランス語で「jouer」といって、英語の「play」と同じ意味です。その言葉通り、遊びながらその役に生命を与えるような、楽しみながら演じられる必要があると思っています。そういう意味でも楽しい現場づくりを心がけましたし、その辺は俳優の経験が生かせたなと思っています。


Q:このインタビューを読んでくださっている皆さんにメッセージを。 


ルグラン監督:皆さんがこの映画を気に入ってくださることを心から願っています。映画館で「映画体験」をしていただいて、出ていくときに来たときとは違う何かを感じていただければ本望です。いろんなことを感じていただければ嬉しいですね。


トーマス:すごく美しく知的で、非常に学ぶことの多い映画だと思います。ぜひ見に来て欲しいですね。



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監督:グザヴィエ・ルグラン Xavier Legrand

1979年フランス生まれ。フランス国立高等演劇学校で演劇を学んだ。様々な演出家のもとで、チェーホフ、シェイクスピア、ハロルド・ピンター、ミシェル・ヴィナヴェール、ペーター・ハントケの作品の舞台に立ち、映画ではフィリップ・ガレル監督、ローラン・ジャウィ監督、ブノワ・コーエン監督、ブリジット・シィ監督の作品に出演してきた。監督として初めて手がけた短編映画『すべてを失う前に』(12)は100を超える映画祭に選出され、第86回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされたほか、第35回クレルモン・フェラン国際短編映画祭において4部門で賞を獲得し、第39回セザール賞短編映画賞を受賞するなど、いくつもの賞に輝いた。


トーマス・ジオリア Thomas Gioria(ジュリアン・ベッソン役)

2003年フランス生まれ。幼い頃に地元の小さな町の劇場で多くの劇を鑑賞。その後、演技を学び始め、キャスティングに参加。グザヴィエ・ルグラン監督に出会って『ジュリアン』(17)のジュリアン役に抜擢され、長編映画デビューを果たした。ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督『Adoration』(19)にも出演。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。





『ジュリアン』

2019年1月25日(金)よりシネマカリテ・ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開

配給:アンプラグド

(c)2016 – KG Productions – France 3 Cinéma


監督・脚本:グザヴィエ・ルグラン 製作:アレクサンドル・ガヴラス 撮影:ナタリー・デュラン

出演:レア・ドリュッケール ドゥニ・メノーシェ トーマス・ジオリア マティルド・オネヴ

2017年/フランス/93分/原題:Jusqu’a la garde/カラー/5.1ch/2.39:1ビスタ

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