映画の見方が変わってきた
Q:映画の道に進みたいと言われましたが、好きな映画や演技の参考にしている映画などはありますか。
木竜:まだ全然勉強中なので、映画もそこまで詳しくないのですが、先日『地獄の逃避行』(73)っていう映画を見まして、ナレーションの語りの部分が素晴らしいと思いました。それまで、ナレーションに感動することってなかったのですが、とても素敵だなって思ったんです。
最近、自分の好きな映画や見方が変わってきてるんですよね。例えば泣いている人の顔があったら、その人の真正面の顔よりも、背中や横顔にぐっときますし、他人の話を聞いている人の顔が映っているシーンでは、そのシーンを見ている自分自身がどう感じるかの余白をいっぱいもらえてる感じがして、そういう感じられる余白がある映画を見ると、すごくいいなと思うんです。
Q:映画を俯瞰で見るようになってきているのかもしれませんね。
木竜:そうですね。少しづつ変わってきてるんだと思います。
Q:最後に、このインタビューを読んでくださっている皆さんにメッセージを。
木竜:瀬々監督は、今見切り発車でも撮らなきゃいけないと思ってこの作品を撮りました。そこにスタッフやキャストが乗っかったのには、きちんと映画を見てもらうとその理由が分かると思います。
大正時代のお話ですが、今を生きてる人にこそ見てほしいと思いますし、必ず通じるものがあると思います。少し気になってたけど見てないという方には手に取ってほしいですし、見たことある方も、もう一回見てもらって、何か気付く部分があったらうれしいですね。
木竜麻生(きりゅう・まい)/ 花菊ともよ 役
1994年7月1日生まれ、新潟県出身。14歳の時に原宿でスカウトされ、大学進学を機に上京。本 格的に芸能活動を始める。映画デビューは2014年の大森立嗣監督『まほろ駅前狂騒曲』。2018年公開映 画、瀬々敬久監督「菊とギロチン」では300人の中から花菊役に選ばれ映画初主演を飾る。また同年に公開さ れた「鈴木家の嘘」でもオーディションを兼ねたワークショップで400人の中から選ばれ、ヒロイン鈴木富美 役を務めた。この2つの作品の演技が評価され毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞やキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞など数々の新人賞を受賞する。今後は映画「東京喰種【S】」が待機している。また2018年 7月には藤井保氏が撮影した自身初の写真集「Mai」(リトルモア刊)を発売した。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
Photo:Yusuke HASHIMOTO
スタイリスト:TAKAFUMI KAWASAKI (MILD)
ヘアメイク:主代美樹(GUILD MANAGEMANT)
『菊とギロチン』
2019年4月26日 Blu-ray/DVD発売
Blu-ray 6,200円+税/DVD 5,200円+税
封入特典:特製アウターケース、特製ステッカー、特製解説ブックレット(96P)<幻の「初稿脚本&第二期プロット」完全収録>
特典映像:メイキング、ヒット祈願法要、初日舞台挨拶、予告編・特報
発売元:トランスフォーマー
販売元:ポニーキャオン
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