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『シカゴ』ハリウッドが認めるまで80年かかったピカレスクロマン

『シカゴ』ハリウッドが認めるまで80年かかったピカレスクロマン


ふたつの殺人裁判から生まれた原作戯曲



 この2人の事件をシカゴ・トリビューン紙でスキャンダラスに書き立てたのが、映画ではメアリー・サンシャインとして登場する女性記者モーリン・ダラス・ワトキンスだった。彼女はビューラもベルヴァも有罪だと信じていたが、2人をジャズと酒の世界に誘惑されてしまったか弱い純真な女性に仕立て上げた。ビューラには「監獄の美女」、ベルヴァには「最もスタイリッシュな女殺人者」とキャッチフレーズまでひねり出した。シカゴ市民も2人の美女に注目し、同情し、裁判の模様を報じる新聞各社は部数を伸ばして儲けまくった。


 やがてワトキンスは、ビューラとベルヴァの裁判を元にした戯曲「シカゴ」を書き上げる。戯曲は1927年にブロードウェイで上演されて好評を博し、同年にはセシル・B・デミルのプロデュースでサイレント映画にもなった。


 無罪放免を勝ち取った2人のその後だが、ロキシーのモデルになったビューラは、ボクサーと短い再婚をして巨額の慰謝料を勝ち取ったり、また別の男性と結婚したりしたが、結核を患い1928年にシカゴ郊外のサナトリウムで亡くなった。28歳の若さだった。


 一方のベルヴァは年長の夫とくっついたり別れたりを繰り返しつつ、自分をモデルにした舞台「シカゴ」の公演初日を鑑賞するなどセレブ気分を引き続き満喫していたらしい。サイレント映画版にカメオ出演しているという説もあるが、残念ながら確認することはできなかった。


 ベルヴァと夫ウィリアム・ガートナーののっぴきのならない腐れ縁は掘り下げると面白いのだが、話が逸れるので脇に置く。ベルヴァは結果的に1948年に夫が亡くなるまで連れ添い、1965年に80歳でこの世を去った。



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