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作家と妻の話の形を借りて、現代社会を告発する『天才作家の妻 -40年目の真実-』

作家と妻の話の形を借りて、現代社会を告発する『天才作家の妻 -40年目の真実-』


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ノーベル賞作家の驚愕の真実



 ニューヨーク・タイムズの作家メグ・ウォリッツァーの2003年の小説、"The Wife(妻)"を映画化した『天才作家の妻 40年目の真実』は、予想を超える辛辣な内容と、強く先進的なメッセージに、しばらく呆然とさせられてしまう作品だった。


 本作の物語は1990年代のアメリカから始まる。著名な作家、ジョゼフ・キャッスルマン宅に、「あなたが今回のノーベル文学賞に選ばれました」という国際電話がかかってくる。嬉しい報せに、電話を終えると思わず妻ジョーンと手を取り合って、家の中でダンスしてしまうほど有頂天になるジョゼフ。だが、この夫婦にはシリアスな問題があった。ジョゼフ名義で出版されている数々の名作を書いていたのは、じつはジョーンの方だったのだ。


 本作は、スウェーデンのストックホルムへと旅立ち、ノーベル賞授賞式に臨む夫婦の姿を追っていく。その間に二人が若い頃のエピソードが断続的に挿入され、なぜジョーンがゴーストライターを務めるようになったのかが明かされていく。


 ジョーンを演じるのは、ベテラン俳優グレン・クローズ。彼女がスウェーデン出身の監督、ビョルン・ルンゲを指名したことが伝えられているように、本作はクローズが主導する、彼女のための作品である。そしてジョーンの若い頃を、実の娘のアニー・スタークが演じている。




 かつてジョーンはジョゼフに指導を受ける大学生であり、その頃から作家としての優れた才能を発揮していた。だが、業界にはびこる女性蔑視の風潮により、彼女は作家の夢を阻まれてしまう。それでもジョーンは、意外な方法でその力を使うことになる。二人の結婚後、作家として伸び悩んでいたジョゼフに、ジョーンが手助けを始めたのだ。次々と傑作が生まれ、ついに内容のほとんどを彼女が書くようになる。つまり、ジョゼフ・キャッスルマンが授賞するノーベル賞は、本当はジョーンこそが受け取るべきなのだ。


 20数年前、ヒット作『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(94)にて、吸血鬼にインタビューするライターの役を演じていたクリスチャン・スレイターは、ここでは旅先で夫妻を取材するライターとして登場する。彼は、ジョーンがゴーストライターであることを突き止めようとしていた。追求されたジョーンは、「想像力が豊かね」とかわす。真実を暴露してしまうことは、いままで世間に、そして息子に嘘をついてきたことを告白することを意味してしまうからだ。






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