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『ABYSS アビス』須藤蓮監督 強烈なエネルギーがないと作品は生まれない 【Director’s Interview Vol.351】

『ABYSS アビス』須藤蓮監督 強烈なエネルギーがないと作品は生まれない 【Director’s Interview Vol.351】

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強烈なエネルギーがないと作品は生まれない



Q:製作委員会など既存の枠を超えた映画作りを行っていますが、そのことが影響している部分は大きそうですね。


須藤:僕はやりたいことの放出先が映画なんです。製作委員会という枠組みによって、やりたいことがやれなくなるのは本末転倒かなと。すごく乱暴な言い方ですが、お金儲けをしたくてやっているわけではないんです。もはや作ることが生きることになっている。「俺がやりたいからやる!」といった強烈なエネルギーがないと、作品は生まれてこない。A24の映画なんかを観ていると特にそう思いますね。


『ABYSS』では水中撮影を行ったのですが、そのシーンだけで百万円以上かかっています。それでも撮ったのは、「俺はこれをやりてぇ!」みたいな気持ちだけなんです(笑)。もし自分がプロデューサーだったら「水中撮影なんて無くてもよくない?」って一蹴しそうですよね(笑)。この水中撮影の実施は、自分にとって超えられるかどうかの大きな壁でした。あのシーンを自腹で撮ると決めた瞬間に、はじめて作品になった気がした。あれを超えられなかったらこの作品はただの“trash(ゴミ)”になってしまう。創作ってそういうことだと思うんです。



『ABYSS アビス』(C)映画『ABYSS アビス』製作委員会


Q:須藤さんが中心となった様々なプロジェクトが動いていますが、今後はどんな展開を予定されていますか? 


須藤:もっとスクリーンからはみ出す活動をしたいと思っています。このままだと映画館で映画を観れなくなってしまう危惧もあって、今ある枠組みだけではまずい状況。若い人も大人も含め「自分はこれがやりたかったんだ!」と、皆がエネルギーを解放させて、既存の枠組みを突き破ってほしいなと。そういうことが起こせるような活動を続けることが、自分のミッションではないかと感じています。


実は今まではずっと葛藤していたんです。「俺は映画監督なのにイベントなんてやって何の意味があるんだ」「映画だけで語れずして何なのだろう」って。でももう腹は括りました(笑)。



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監督・脚本・製作・主演:須藤蓮

1996年生まれ、東京都出身。大学在学中の2016年に『第31回 MEN'S NON-NO 専属モデルオーディション』でファイナリストとなり、翌2017年より俳優デビュー。『ワンダーウォール』(NHK BSプレミアム)、『JOKER×FACE』(フジテレビ)、『連続テレビ小説 なつぞら』(NHK)、『大河ドラマ いだてん∼東京オリムピック噺∼』(NHK)、舞台『私たちは何も知らない』(二兎社)、『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ)、『First Love 初恋』(Netflix)などドラマ、映画、舞台に幅広く出演するだけでなく、監督・プロデューサーとしても活動。初監督・プロデュース・主演作品『逆光』が2021年夏に公開された。監督第二作『ABYSS アビス』(共同脚本:渡辺あや)でも監督・主演を務める。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『ABYSS アビス』

9月15日(金)渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー

配給:FOL

(C)映画『ABYSS アビス』製作委員会

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