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『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督 最も難しいのは空気感の創出【Director’s Interview Vol.378】

『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督 最も難しいのは空気感の創出【Director’s Interview Vol.378】

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映画に反映した自分と妻の関係



Q:素材を作品に変換させるところや、料理のスタッフを率いる役割など、主人公ドダンは映画監督を思わせるところがありました。ご自身をドダンに投影された点はありますか?


ユン:原作にはラブストーリーの要素は入っていないので、そこは私と妻の関係が投影されていると言えるかもしれません。妻との関係は37年続いていて、今でも愛し合い尊敬し合っている。とても息の長い夫婦生活を送っています。今回の作品は妻にも捧げているのですが、妻はウージェニーに似ているところがあります。私は妻にすごく優しいのですが、妻は私にちょっとつれないところがあるんです(笑)。



『ポトフ 美食家と料理人』(c)Stéphanie Branchu(c)2023 CURIOSA FILMS- GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA


Q:ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメルが素晴らしく、二人だったからこそ生まれたシーンや化学反応みたいなものがあれば教えてください。


ユン:プライベートで別れた二人を映画の中で再会させるのは、最初はちょっと怖かったですが(笑)、二人とも偉大な俳優なので何の問題もありませんでした。二人で野原を歩くシーンがあるのですが、その時にジュリエットが振り向きざまにキスをするんです。カットをかけたらブノワが私の方に走ってきて「ジュリエットにキスをするように言ったんですか? 脚本には書いてなかったよね」と抗議されました(笑)。「僕は女優じゃないから、彼女の気持ちを代弁することはできないけれど、彼女はそうするのが美しいと思ったから、君にキスをしたんだと思うよ」と、そして「セカンドテイクも撮るから、次は彼女がキスをしてくると思って演じてくれ」と伝えました。その撮影が最後のシーンだったので、実質的に二人がキスをする最後のチャンスでもあったんです(笑)。


Q:お二人のキャスティングはどのように決められたのでしょうか。 


ユン:ジュリエット・ビノシュはウージェニーの役柄に完璧にマッチしている女優。ブノワ・マジメルは若干脆弱で、ちょっと女性的な部分もある。それでいてとてもオープン。結婚をなかなか受け入れてくれないウージェニーに対して、求め続ける男性を演じるには完璧な俳優だと思いました。ウージェニーの気を引くため、彼女が何を考えているのか、何を言おうとしているのか、耳を傾けて想いを汲み取る必要があるのですが、ブノワは完璧に演じてくれましたね。





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