吉沢亮に繋げるルック
Q:主演の吉沢亮さんとは以前からお仕事をしたかったそうですが、吉沢さんのどこに惹かれていたのでしょうか。
呉:こんなにカッコイイ顔のつくりをされているのに、そこに胡座をかいた感じがなく、むしろ様々なことに対して変化球で返している感じがありました。お芝居もそうですが、テレビのちょっとしたトーク番組などでも、想像外の返しをされている。その面白さを感じていました。でもお芝居はきっと真面目な人なんだろうなと。本人はそのバランスに気づいているかどうか分かりませんが、カッコつけていない感じがありつつも、芝居としてはすごく硬派なものになっている。彼のお芝居なのか佇まいなのか、その感じを思わず見続けていました。
今回の役は吉沢さんにピッタリだったと思います。自分の殻を破る術もなく、誰かの話に耳を傾けるわけでもなく、すごく頑なだったティーンエイジャーの頃の感じや、東京で出会う人によって、あっさりとその殻を破られ、自分の小さな世界をいい意味で破壊されていくときの表情など、どれも素晴らしかった。吉沢さんならでは細かな感情表現をしてくださったと思います。
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
Q:大の子供時代を演じた畠山桃吏くんと加藤庵次くんが吉沢亮さんにとても似ていて、大の子供時代そのままでした。どのように出会われたのでしょうか。
呉:たくさんオーディションをして探しました。ドラマなどを見ていて「大人になったら、全然違うやーん!」と思うのがすごく嫌なんです(笑)。今回、点描で人生を描いていくからには、ルックを吉沢亮にちゃんと繋げたいという思いがありました。お芝居はほとんど初めてみたいな子たちでしたが、その分撮影時間をたくさん設けてもらい、一つ一つ丁寧に何テイクもやってもらいました。