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『悪魔と夜ふかし』コリン・ケアンズ&キャメロン・ケアンズ監督 こだわった70年代の世界観【Director’s Interview Vol.439】

©2023 FUTURE PICTURES & SPOOKY PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

『悪魔と夜ふかし』コリン・ケアンズ&キャメロン・ケアンズ監督 こだわった70年代の世界観【Director’s Interview Vol.439】

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影響を受けた監督たち



Q:『エクソシスト』(73)、『キャリー』(76)、『キング・オブ・コメディ』(82)、『スキャナーズ』(81)などなど、多くの映画の影響も話題ですが、スタンリー・キューブリックの影響も感じました。影響を受けた好きな映画監督などはいますか。


キャメロン:この作品では『2001年宇宙の旅』(68)の影響を受けているところがあります。脚本を手伝ってくれたジョエル・アンダーソンにも「似ているね」と言われましたし、先日『2001年宇宙の旅』を観直したのですが、確かに似ているなと自分でも思いましたね。


コリン:スタッフのために監督二人の思いを綴ったディレクターズ・ステートメントを書いたのですが、その中に『2001年宇宙の旅』の場面写真を入れていました。キューブリックにしろ、クローネンバーグにしろ、スコセッシにしろ、彼らと僕らは決して同じレベルではないんだけどね(笑)。


キャメロン:キューブリック以外にも、ビリー・ワイルダーやエリア・カザンなどにも影響を受けています。カザンの『群衆の中の一つの顔』(57)は、今回の直接的なインスピレーションになりました。また、サスペンスに関してヒッチコックは外せません。映画におけるサスペンスの文法を作ったのは彼ですしね。


僕らは高尚なタイプの監督からカジュアルなタイプの監督まで全て好きなんです。だからイタリアのカニバルものも好きだし、同時にブニュエルやフェリーニも大好き。それだけ映画とは素晴らしいものだし、ひとつの意図を持ってしっかり作られている作品は、観ると何かを感じますよね。



『悪魔と夜ふかし』©2023 FUTURE PICTURES & SPOOKY PICTURES ALL RIGHTS RESERVED


コリン:日本だと黒澤明や小津安二郎も好きだし、あらゆる監督、あらゆる作品に影響を受けています。カーペンター、クレイブン、デ・パルマらが作ってきたジャンルも好きだし、特にデ・パルマは僕らにとって大きな存在です。70年代は、日本やヨーロッパ、オーストラリアでもかなり面白い映画が作られていて、『荒野の千鳥足』(71)というサスペンス映画も今回のインスピレーションの一つになっています。


Q:今後はどんな映画を作っていきたいですか。


キャメロン:そこはトップシークレットですが(笑)、やっぱりホラー映画的なものになるんじゃないかな。それが僕らのテイストですから。「ケアンズ兄弟と言えば、ゴアがあってサスペンスがあって、そしてハートがある!」という作品を作りたいと思っています。これまでにホラー映画を3本作ったので、どうしてもホラー映画の監督だと思われるかもしれませんが、そこまでジャンルにこだわっている訳ではありません。例えば、皆で集まって計画を立て実行に移すハイスト(強盗)ものや、コメディやミュージカルなど、観ていてワクワクするような作品にもチャレンジしたいですね。もちろんホラー映画も大好きなので、ホラー映画監督だと思われても大丈夫ですよ!




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※向かって左から、コリン・ケアンズ、デヴィッド・ダストマルチャン、キャメロン・ケアンズ


監督/脚本/編集:コリン・ケアンズ & キャメロン・ケアンズ監督

1970年生まれのコリン、1973年生まれのキャメロンの兄弟監督。オーストラリア・メルボルン出身。コンビで監督、脚本、編集を務める。TV業界で経験を積み、2012年、ゴア描写が際立つホラー・コメディ『モーガン・ブラザーズ』で長編監督デビュー。同作はシッチェス・カタロニア国際映画祭でミッドナイト・エクストリーム部門グランプリを獲得し、大きな話題を呼んだ。人気停滞気味のドッキリ心霊番組を題材にした長編第2作『スケア・キャンペーン』(16)は豪モンスター・フェストで監督賞、脚本賞を含む4冠を達成。その他、「Warren and Hal」(14〜)では監督&製作を兼任、「Fancy Boy」(16〜17)ではコリンが監督、キャメロンが編集を担当したほか、「True Story with Hamish & Andy」(17〜18)、「How to Stay Married」(18〜21)にはエピソード監督として参加。ホラー・アンソロジー『Dark Place』(19)では製作総指揮を務めた。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。





『悪魔と夜ふかし』

10月4日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次ロードショー

配給:ギャガ

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