※向かって左からアーロン・ジャクソン、ジョシュ・シャープ ©2023 SEWER BOYS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
『ディックス!! ザ・ミュージカル』アーロン・ジャクソン& ジョシュ・シャープ 笑ってもらえるのが一番嬉しい【Actor’s Interview Vol.48】
笑ってもらえるのが一番嬉しい
Q:保守系の方々には「けしからん!」と言われるような内容ですが、リベラルの方々の反応はどうでしたか。
シャープ:リベラルな人の中にも「けしからん!」と言う人はいたね(笑)。そのジョークを理解できるからといって、政治的な意識で線引き出来るような作品じゃないんだ。面白かったのは、若者なのに「ちょっと苦手だった」という人もいれば、お婆ちゃんなのに「めちゃくちゃ面白かった!」という人もいた。もうよく分からないね(笑)。
『ディックス!! ザ・ミュージカル』©2023 SEWER BOYS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
Q:映画に出てくる神様の見た目のように、この映画では“うわべ”に惑わされるような設計がされていて、本質的なものとは何か、核心を突いてきます。意図されたものはありましたか。
ジャクソン:聖書を読んでもらうと分かるけれど、いかに神様はドラマクイーン*かってこと。この映画に出てくる神様像はその通りになっているよね。作品のスタイルとして、核心を突くようなことは意識していなくて、この作品で何かメッセージをしようとは考えていないんだ。でも、すごくクレイジーな内容の中で、今の世の中で起きていることが少し見えてくるような作り方にはしているよ。
*ドラマの中の悲劇のヒロインかのように振る舞う人
シャープ:僕らはコメディアンだから真面目に答えるのは苦手なんだ(笑)。LGBTQ+の一人として生きてきて「君はほかの人と違うね」と言われることが多かったから、その違っているところをクリエイティブな意味でもコメディな意味でも大事にしている。そこから作ってみたのが、この映画なんだ。だから出てくるキャラクターは、別にリアルな人間を追求しているわけじゃない。下品なものがいっぱい出てくるけれど、それは不条理なところから来ているもの。そこを違った視点から見たら面白いんじゃないかなと。ジョン・ウォーターズなんかは良い例だよね。
あとは「正直であれ」ということ。これは監督も言っていたけれど、この映画の内容は下品で大胆なものだから、そこを大事にすることが「正直なこと」なんだと。
ジャクソン:とにかく予期せぬジョークを如何にたくさん詰め込めるかということだね。色々描いているけれど、笑ってもらえるのが一番嬉しいよ。
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※向かって左からジョシュ・シャープ、アーロン・ジャクソン ©2023 SEWER BOYS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
主演/脚本/楽曲/エグゼクティブ・プロデューサー:
ジョシュ・シャープ & アーロン・ジャクソン
ふたりはアップライト・シチズンズ・ブリゲード・シアターで出会い、演技や作詞作曲を始めた。本作の原案となった二人芝居の舞台「F*cking Identical Twins」を共同開発。この舞台がプロデューサーの目に留まり映画化に至った。アーロンは初の小説「The Astonishing Life of August March」を手掛けるなど活動の幅を広げており、ジョシュはNetflix制作「The Iliza Shlesinger Sketch Show」(20)に出演し個々でも活躍している。二人は現在、制作会社2AMとA24に向け監督と脚本を手掛ける予定の『Meet The Coven』など、いくつかの作品を製作中である。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『ディックス!! ザ・ミュージカル』
新宿ピカデリー、ホワイト シネクイントほか全国公開中
配給:トランスフォーマー
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